シミュレーションから具体的な取り組み施策へ その1
シミュレーションを通じて、現状と経営課題が実現された際のイメージを
定量的にモデル化することで、「何を、どう変えるのか」が明らかになり
ます。この「変革ポイントの見える化」がシミュレーションの最大の利点で
あることは、昨日述べました。
確かに適切なシミュレーションは、変革ポイントを見えるようにしますが、
その変革ポイントは、シミュレーション実施に当たって立てた前提を
ベースにした仮説にすぎません。シミュレーション上で期待する効果が
得られるとしても、仮説が間違えている、あるいは、実現性がないような
場合は、「見えている変革ポイント」も意味を成しません。
実際の取組では、前提条件を変えながら、複数のシミュレーションを実
施し、その前提毎に変革ポイントを導き出します。それらについて前提
の妥当性を検証し、妥当であるものの中から経営課題を実現するため
に最適な2~3つの「実現方法」を選び出すことが必要です。
シミュレーションや前提条件の妥当性検討などの作業を行っているのは、
プロジェクトメンバーだと思いますが、このプロジェクトメンバー内で、案
を一つに絞りきってしまうのは、良くありません。2~3つの案を抽出し、
その中でプロジェクトチームとして「この案」を推奨するということを明確に
することは必要ですが、絞り込んでしまうのは適切ではありません。
検討結果を踏まえて、どの前提条件に基づいた変革を推進するのかは、
経営者が決定すべきです。プロジェクトチームは、経営者が正しい判断
を下せるように、その意思決定材料を提出するという観点にたって当作
業を行うべきです。
意思決定材料を提出するという観点にたって作業を行うためには、
検討作業として次のことを満たしていることが必要です。
① 検討の範囲が、検討すべき範囲を網羅できていること
② 実現可能性が、ある程度検証されていること
③ 上記①②を満たした上で、検討案の特徴が整理されていること。
①は、話が前後しますが、シミュレーションの前提条件を設定するときの
話になります。明らかに、大きな検討の漏れがあると、「再度、その点に
ついて検討し、その結果を見て判断する」ということになり、意思決定する
ことはできません。十分な検討を行った上で、意思決定をしていると意思
決定者が思えることが大切です。
②は、シミュレーション実施に際しておいた前提条件が実現可能か、あた
りつけておくことが必要です。そのためには、前提条件を実現するモデルを
シミュレーションとして組み立てていますが、そのモデルの実現可否を検
討する必要があります。
例えば、「製造方法をAからBに変える」という前提条件をおいて、原価低
減を実現することを検討する場合、原材料の変更、作業工程の見直し、
製造設備の見直し、協力会社のみなおし、など多種多様な変革要素があ
ります。それらをどのような形で組み合わせれば、経営課題として期待さ
れる価格強力を生み出せるような製造原価が達成できるかをシミュレー
ションの中で検討します。
仮にシミュレーションにより経営課題を実現可能な方法が見つかった場
合でも、それが机上の空論では意味がありません。「原材料を変更」すれ
ばよいとしても、その代替の原材料が必要量確保できるのかなど確認が
必要です。
続く
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