施策立案のためのシミュレーション その2
昨日は、シミュレーションの実施の手順として以下のようになることを
示したところで終わっていたかと思います。
① 現状のコスト構造を概要レベルでモデル化する。
② 改善したいポイントのあたりをつける。
③ 改善ポイントに該当する部分のモデルを詳細化する。
④ 期待する結果になるように、個々のコスト要素のコスト額を変更する。
あるコストを削減すると別のコストが増加するなど依存関係にある
コスト要素は、そのルールに従ってコストを計算する。
⑤ 必要に応じて②へ戻る
⑥ 上記作業を繰り返し、期待する結果を実現するコスト構造パターンを
見つけ出す。(複数でも可)
ここから、昨日の続きです。
シミュレーションは、問題分析と解決策のあたりをつけるための強力な
武器です。なぜ、強力かというと、全体と詳細の関係について定量的に
捉えることができるようになるからです。
例えば、昨日の例であれば、調達、製造、販売などの各プロセスにより
発生する個々の原価要素と最終積算された製品原価の関係(どこをどう
変えれば、製品原価がどう変わる)が明らかになるということです。
シミュレーションを行うためには、シミュレーションモデルを作ることが
必要です。シミュレーションモデルなどと言うと難しく感じられるかもしれ
ませんが、そんな難しく考える必要はありません。このフェーズの目的は、
重点施策の整理(洗い出し)であり、実際の問題の解決ではありません。
何を改善すべきかのポイントが絞り込めることができるレベルのシミュレ
ーションで十分です。
どのぐらいのレベルかというイメージとして、「情報システム計画の立て方
・活かし方」の第4章101ページ~105ページ、および章をまたぎますが、
第5章125ページ~131ページあたりに記載しています。かなりざっくりし
た印象を受けると思いますが、改善ポイントの洗い出しのためには、この
程度で十分だと思います。
① 現状のコスト構造を概要レベルでモデル化する。
シミュレーションモデルの基本は、まずは現状を写し取ることです。その際
に、いきなり精緻で、完璧なものを作ろうとすると、様々な考慮点が頭に浮
かび、モデルが作れなくなってしまいます。そのため、最初は概略で、その
後に徐々に詳細に細分化していくという進め方が、進めやすいと思います。
前述の例では、まず、仕入コスト、製造コスト、販売コスト、利益という3つの
箱を横に並べて記入します。そして、次に「仕入コスト」「製造コスト」「販売
コスト」のそれぞれごとの詳細のコスト要因をそれぞれの箱の下方向に追
記していきます。
② 改善したいポイントのあたりをつける。
③ 改善ポイントに該当する部分のモデルを詳細化する。
最初は、粗いものでよいので作成してみて、そこに現状の調査結果を
記入してみることです。そうすることで、どこに改善の余地があるかが
目に見えてきます。それが把握できれば、その部分のモデルをより
詳細化します。
④ 期待する結果になるように、個々のコスト要素のコスト額を変更する。
現状のコスト構造を①~③の作業を通じてモデル化し、目に見える形に
なりました。すべてを合計すると現状100になっています。この合計を
85になるようにモデルを組み立てなおします。
モデルの組み立て直しは、仮説と検証を繰り返しつつ行います。単純に
現在のコスト構造のまま、それぞれのコスト要因のコストを削減できない
か、自社製造をアウトソースする(あるいはその逆)によりコストを削減で
きないか、原材料・製造方法を変更することで抜本的にコストを削減する
など様々な仮説を立てます。仮説は、実現方法が見えているものだけで
なく、実現方法は見えていないが結果としてここのコストがこれだけ削減
できれば、経営課題が実現できるというものも含めてモデルを作成します。
明日に続く
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