ドジャース大谷翔平、勝利を呼び込む一打と疾走――5月21日、劇的な一日を振り返る

2025年5月21日、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムが再び喝采に包まれた。ドジャースの「1番・DH」として出場した大谷翔平が、またしてもファンを熱狂させる活躍を見せた。連敗脱出がかかったダイヤモンドバックス戦、その一挙手一投足が勝利への流れを変えていく――そんな一日を、現地の熱気とともに振り返る。



序盤:静かな立ち上がり、緊張感漂うスタジアム

試合は午前11時10分(日本時間)にプレーボール。ドジャースはここまで4連敗中。大谷翔平は「1番・DH」でスタメンに名を連ね、スタジアムには彼の一打を待ちわびるファンの期待が満ちていた。

初回の第1打席、大谷は左飛に倒れる。続く第2打席、第3打席も内野ゴロと、なかなか快音が響かない。しかし、相手先発ネルソンのキレのあるボールに対し、しっかりとバットを振り抜く姿勢は崩さない。その背中には、どんな状況でもチームを鼓舞するリーダーの風格が漂っていた。



中盤:山本由伸の快投と重なる大谷の存在感

この日、ドジャースの先発は山本由伸。自己最多となる110球を投げ、7回1安打無失点、9奪三振と圧巻のピッチングを披露する。しかし、打線の援護は4回のスミスのタイムリーによる1点のみ。スタジアムには「このまま逃げ切れるのか?」という緊張感が漂う。

そんな中、8回1死走者なしで迎えた大谷の第4打席。4番手左腕ビークスの速球を捉え、左中間を破る二塁打を放つ。これで3試合連続安打。打率は.311と好調をキープし、今季の存在感を改めて印象付けた。

「投手陣に援護点をプレゼントしたい状況の中、8回1死走者なしで第4打席を迎えた大谷が4番手左腕ビークスの速球を左中間へはじき返し、二塁打で好機を演出した。」

この一打でスタジアムの空気が一変。追加点こそ奪えなかったものの、ベンチやファンの士気が明らかに高まった。



終盤:延長戦の熱狂、サヨナラ劇の立役者に

試合は1-1のまま延長戦へ。10回表に2点を奪われ、ドジャースは追い込まれる。しかし、その裏、ドラマが待っていた。

大谷は第5打席、相手バッテリーが勝負を避け申告敬遠。ファンからは大ブーイングが巻き起こるが、ここで大谷はすかさず二盗を決める。今季13個目の盗塁で、一気に得点圏へ。

「延長10回の第5打席は申告敬遠で歩いた。延長10回にマンシーがサヨナラ犠飛を打ち上げ、今季ワーストの連敗を4で止めた。」

その後、味方打線がつながり、マンシーのサヨナラ犠飛で劇的な勝利。大谷もホームインし、チームの連敗を4でストップさせた。



数字で見る大谷翔平の今日の活躍

- 打数:4
- 安打:1(二塁打)
- 四球:1(申告敬遠)
- 盗塁:1(延長10回)
- 打率:.311(試合終了時点)
- 3試合連続安打

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“ミスター・メイ”の異名通り、止まらぬ快進撃

今月だけで10本塁打、OPSは1.286と両リーグトップ。5月の月間MVPも視野に入る活躍ぶりだ。メジャー通算598打点と、イチロー(780打点)、松井秀喜(760打点)に次ぐ日本人歴代3位の記録も目前。大谷のバットは、記録と記憶の両方を塗り替え続けている。



ファンとチームを鼓舞する“二刀流スター”の真価

この日の大谷翔平は、決して派手なホームランや大量打点ではなかった。しかし、要所での長打、勝負所での盗塁、そして何よりも“勝利への執念”が、チーム全体に伝播した。山本由伸の快投とともに、ドジャースの士気を支え、連敗脱出の原動力となったのは間違いない。

今シーズンも、彼の一挙手一投足から目が離せない。今日の一打、そして一走が、また新たな伝説の1ページとなった。



「大谷翔平がいる限り、ドジャースはどんな状況でも希望を持てる」――そんな言葉が、スタジアムの空気そのものだった一日。明日もまた、彼のバットと足が、野球の神髄を見せてくれるに違いない。