インフィニティブレードのストーリー解説に本気を出してみた(1) | iPadGamer

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2014.4月のインブレのファンインタビューを元に内容を修正。当該記事はこちら



インフィニティブレードシリーズについては、今回のInfinity Blade 3で壮大な物語に一応の幕が下りている。このストーリーについては、これまでも何回か書いてきたが、個人的にはあまり気にしていなかった。しかし、ストーリーで検索してこのブログに来られる方も多いようなので、今回シリーズのストーリーを本格的に書いてみることとする。


ちなみにアメリカでは、日本なんか目じゃないくらいメディアミックスが進んでおり、ちょっと売れた映画やゲームは、すぐに関連本やビデオ等が発売される。それはまあ良いのだが、困るのは、メディアミックスが進みすぎて、関連本とかを読んでいないと詳しい背景が分からなかったり、1作目と2作目の間のストーリーが繋がらなかったりすることだ。スターウォーズ関連の書籍・ゲームの氾濫や、映画だけでは前後が全くつながらなかったマトリックスなど、余りにもメディアミックスが過剰になってしまった作品も多数あることは、読者諸兄もご承知だろう。

ご多分に漏れず、今回取り上げるインブレにも、ゲームの背景を詳しく解説した電子書籍が2つ出ている(AwakeningとRedemption)。これらの2作品は、外伝や同人誌ではなく、れっきとした公式ストーリーであり、これらを読んでいないとゲーム上のストーリーもつながらない。
例えば、2の冒頭でいきなりイーサが出てくる理由や、3の冒頭で閉じ込められていたはずの閣下が普通にインブレ持って探求者のところにくる理由は、小説を読んでいないと分からない。


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そこで今回、セブンイレブンのiTunesカードキャンペーンでもらったボーナスクレジットを使って、この2作を購入してみた。電子書籍を購入したのは初めてだったが、読んでみると、意外なほど面白い。小説での、閣下のシビれるほどの格好良さに、忠誠心5割増だ(本当)。


これらの電子書籍の内容と、英語版のWikiとを合わせつつ、1からもう一度やり直してみたりして、詳細なストーリーを把握することを試みることとする。今回は、とりあえずこれを知っておくとゲームがより楽しめると思われる基礎知識から始める。続いて次回、シリーズを通した全ストーリーを記載する。
なお、次回のストーリーの部分は激烈にネタバレなので、まだプレイしていない人は、一回周回が終わってから見ることをお勧めしたい。



●基礎知識

・不死者(Deathless)
人間の力を遙かに超えた究極生物。不老不死であり、水や食料も必要とせず、傷を負ったとしても、あっという間に治癒する再生能力を持つうえに、一様に恐ろしく武術に優れるという、柱の男並みの能力。
さらに、例え殺されたとしても、新たな肉体に乗り移ることで転生することができ、事実上不死身。不死者を倒すには、フルパワーが解放されたインフィニティブレードで倒すか、転生することが可能な肉体自体を消滅させるしかない。(後者の手段が、3における神秘の探求者の最終目的。)
不死者達も、元々は普通の人間だった。インブレ1では、ゴッドキング自身が、自分はかつて人間だったと言っている。また、通常の人間がQIPを変化させ、不死者になることも可能。イーサは、インブレ2と3の間に、普通の人間から不死者に変わっている。
イーサによると、不死者に子どもが生まれた場合、その子どもが不死者の力を奪うことがあるため、不死者は子どもを持つことを警戒するらしい(それが、おそらく世界中が不死者だらけになっていない理由だろう)。


・量子識別パターン(QIP、Quantum Identity Pattern)
不死者一人ひとりの体に固有の量子のパターン。いわゆるとは、QIPのことであるとされる。通常の手段で肉体が滅びても、QIPが消滅することはなく、新たな肉体に入ることで転生することが可能。
QIPが改変されると、化け物のような姿に変化したりする。タイタンやドラゴンなどのモンスターは、QIP改変によって作られた。


・転生/覚醒
戦闘などで死亡した不死者は、QIPが新たな肉体に入ることで転生する。転生するには、次の3つの方法がある。

①あらかじめ転生用のクローンを用意しておく方法(例:インブレ1のゴッドキング)。
②死んだ肉体を再利用し、自動再生する方法(例:インブレ2のテルくんによるサイラス回収)
③全く新しい子どもとして生まれ変わる方法(例:インブレ1におけるブラッドライン)

死んだ肉体の再生や、新たなクローンへの転生を迅速に行うために、再生チェンバーと呼ばれる装置が利用される。また、仮に再生チェンバーがなくても、QIPがとどまることのできる肉体さえあれば、無理やり治癒して復活することができる。(焼け焦げた残骸や指一本みたいなのからさえも再生可能。)
転生にかかる時間は、③が何十年単位、②が数日~数ヶ月(肉体の損傷度合いによる)、③が数時間。この時間が、それぞれインブレ1~3の転生時間に相応する。
インブレ3での神秘の探求者の最終目的は、世界を焼き尽くすことで、全ての転生用の肉体と再生チェンバーを破壊し、全不死者を抹殺することだった。


・インフィニティブレード
神秘の探求者が作り上げた、不死者を倒すための剣。殺した相手のパワーを吸収することで、徐々にパワーが上がり、MAXパワーになると、不死者すら完全に抹殺することができるようになる。元々強力な剣だったが、オウサーやオウサーの転生達を殺すことでそのパワーを吸収し続け、インブレ1の最後でついにMAXパワーが解放された。そのため、インブレ2の序盤の段階で、既に不死者を完全に抹殺する力を持つ剣となっている。
インブレの中には、QIPを不安定化させるリングが仕込まれている。これがインブレの機能の根幹となっている。リングは探求者によって複数作られた。各リングはシンクロしており、一つがアクティベートされると、それに連動して全てが起動する。2の冒頭で、探求者が落涙の牢獄の中で見つめていた手の中の物体は、そのリング。このとき、探求者はインブレが覚醒したことを知った。2のラスト、探求者はこのリングの力を使ってセインのQIPを破壊したため、再生したセインは化け物になってしまった。
探求者は、落涙の牢獄を逃れた後、起動した複数のリングを使ってインフィニティ系の武器を作成した。これらの武器には全てリングが収められているため、インフィニティ系武器全てが不死者を抹殺する力を持っている。

なお、上記のインフィニティブレードの設定は、あくまでストーリー上の設定であり、ゲームの中でのストアで売っているインフィニティブレードとは全く別物である。


・大いなる盟約(Great Pact)

不死者達の間で交わされている約束。詳しい内容はよく分からないが、その重要な要素の一つは、神秘の探求者を落涙の牢獄から解放してはならない、というものらしい。この盟約に従い、セインは落涙の牢獄を護っていた。

セイン


・イージスの型(Aegis Form)
インフィニティブレードのゲームにおける戦闘スタイルのこと。ゴッドキングが定めた決闘ルールとしての「イージス(戦士)の掟」に従った戦闘の型。
何よりも名誉や礼節を重んじるゴッドキングにより、決闘は1対1で行うという掟が定められており、どのような化け物めいたタイタンでも、このルールだけは厳守する。ゲーム上でも、どんな場合でも戦闘が1対1で行われるのは、このイージスの掟の存在による。
イージスの型は、この1対1の戦闘に特化しており、全ての技が、相手にトドメを刺すまでの一連の流れとなっている。
ゲーム上では、ブレイクした敵がピヨる理由だと考えればよい(おそらく)。


・タイタン(Titan)/ダエリル(Daeril)
ゲーム上で戦う、ボス以外の普通の敵の呼称。1・2まではタイタンと呼ばれていたが、小説上でダエリルという名称で呼ばれているので、3からこう呼ばれるようになった。特に卓越したダエリルの戦士については、セリンガルという呼び名も使われている。
これらの敵は、普通の人間の戦士と、元々は人間や動物だったがQIPが改変されたことでモンスターとなった敵の2種類がある。実は普通に話せるようで、小説ではサイラスと普通に会話しているトロルもいる。ゲーム上でも、1や2ではしゃべらなかったが、3ではこちらを倒した後にブツブツつぶやいていたりする。


・パンテオン(Pantheon)
最強の7名の不死者の同盟。パンテオンのメンバーは神と同一視されており、サイラス自身が「7人の名にかけて」とかの言い回しを使う。
パンテオンのリーダーは、レイドリーアー。その他の6名のメンバーについては、アシマール、リレンドル、テロヴァクスはメンバーであることが分かっている。その任務の重要性に鑑みれば、おそらくセインもこの一人だろう。
2の冒頭で、レイドリーアーがセイディについて「自分を裏切って・・・」云々と言っているので、もしかしたらセイディもメンバーだったのかもしれない。一方で、3で出てくるゼリンについては、ステージボスのくせに、パンテオンのメンバーではないと小説版に明記されている。




とりあえず、今回はここまで。次回から、ストーリーを解説していく。