さて、前回 お話した、電子書籍サービス「パブー」の”戦略的”な使い方について、今回はお伝えしようと思う。
↑電子書籍サービス「パブー」(URL:http://p.booklog.jp/ )
「なぜ”戦略的”なのか?」
と、感じた方もいるだろう。
敢えて、↑このような言い方をしたのには、それなりの理由がある。
そう、実はこの「パブー」というサービスは、何も考えずに、ただ”受け身”な使い方をしていたのでは、時間がいくらあっても足りなくなるからだ。
後程、詳しくお伝えするが、このパブーには、現時点(2009/09/05現在)で約3,500作品がエントリーされている。
当然、良い作品もあれば、あまりそうでない作品も多々あることだろう。
なので、”戦略的”にこのサービスを使いこなしていかなければ、作品を手当たり次第見ていくハメになり、いつの間にか、作品のなかに自分が埋もれてしまい、結局、何を探していたのかを忘れてしまうことにだってなり兼ねない。
そこで今回、「パブー」の全体像をお伝えすることで、時間を有効活用しつつ、積極的(戦略的)な姿勢で、このサービスを開拓していこうという主旨だ。
↑これはもちろん、「作者目線」でも言えることである。
・・・では早速、詳細をこれからお伝えしていこうと思う。
まず、前半を「読者目線」、後半を「作者目線」という流れでお伝えする。
ちなみに、ユーザー登録や各種操作方法については、「パブー」のホームページに掲載されている「マニュアル」の中で詳しく説明しているので、割愛させていただく。
【参考:「パブー」のマニュアルの目次(URL)】
・パブーをはじめよう (URL:http://p.booklog.jp/book/378/chapter/687 )
・本をつくろう (URL:http://p.booklog.jp/book/378/chapter/688 )
・本を販売しよう (URL:http://p.booklog.jp/book/378/chapter/689 )
・本を読もう (URL:http://p.booklog.jp/book/378/chapter/690 ) ⇒ iPadを使った読み方が載っている
■■■「パブー」の”戦略的”な使い方■■■
さて、ここからが本題だ。
まず、「読者目線」でこのサービスを利用しようとした場合、自分の興味のある分野から検索したいはずだ。
そのためには、当然ながら、
①どんなカテゴリーあるのか?
②そのカテゴリーには、どのくらいの作品数があるのか?(作品数が多ければ、良質な作品が埋れている可能性がある)
↑この辺りが気になるはずだ。
①については、パブーの「作品検索」のページにある「カテゴリ」から一覧できる↓
だが、②については、残念ながら「作品数」をパッと見で一覧できる機能がない。
そこで今回は、参考までに、カテゴリの種類と作品数を私が調べてみたので、ご覧いただきたい↓
【カテゴリの種類(作品数)】
●純文学・・・・・・・・・・・・・・・・(245)
●恋愛・・・・・・・・・・・・・・・・・・(216)
●青春・友情・・・・・・・・・・・・・(137)
●スポーツ・・・・・・・・・・・・・・・(18)
●SF・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(110)
●ファンタジー・・・・・・・・・・・・(295)
●ホラー・・・・・・・・・・・・・・・・・(75)
●ミステリー・・・・・・・・・・・・・・(103)
●アクション・・・・・・・・・・・・・・(27)
●歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・(49)
●学習・研究・・・・・・・・・・・・・(141)
●詩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(184)
●童話・絵本・・・・・・・・・・・・・(297)
●漫画・・・・・・・・・・・・・・・・・・(231)
●イラスト・・・・・・・・・・・・・・・・(106)
●写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・(295)
●レシピ・・・・・・・・・・・・・・・・・(27)
●ライフスタイル・・・・・・・・・・(67)
●エッセイ・・・・・・・・・・・・・・・(263)
●インタビュー・・・・・・・・・・・・(2)
●ノンフィクション・・・・・・・・・・(88)
●ビジネス・・・・・・・・・・・・・・・(84)
●テクノロジー・・・・・・・・・・・・(27)
●ノウハウ・・・・・・・・・・・・・・・(55)
●マニュアル・・・・・・・・・・・・・(27)
●アダルト・・・・・・・・・・・・・・・(40)
●その他・・・・・・・・・・・・・・・・(298)
↑全3507作品(2010/09/05 11:24現在)だ。
作品数が200以上を「赤字」。50以下を「青字」にしてみた。
このように見ることで、どのカテゴリが人気があるかが、一目瞭然だろう。
■■■読者目線での分析■■■
「読者目線」で考えると、自分の興味のある分野で、作品数が200以上あるカテゴリであれば、良質な作品がたくさん眠っていることが予想されるのでオススメだ。(競争が激しいため、それだけに”実力者”が多いことだろう)
しかも、全作品数のうち8~9割方は「無料」の電子書籍なので、容易に手が出しやすい。
ちなみに、各カテゴリは、人気の高い順(明記されていないが、おそらくお気に入りやコメント、閲覧数などを総合評価していると思われる)に並んでいるようだ。
だが、出版されたばかりの作品は、掲載日数が浅いためか、当然ながらコメントなどはほとんど付いていない。
だから、興味の沸いた「タイトル」に目が止まれば、たとえコメントなどがほとんど付いていなくても、見てみることをオススメする。
実際に、私も↑このやり方を試してみたが、素晴らしい作品に出会うことができた。
サイドバーにも掲載したが、「北緯62度からの手紙」だ↓
↑お気に入り数が「1」しかなく、コメントは「0」だが、ご興味があれば、是非ご覧いただきたい。
都会の喧騒で忙しいサラリーマンには、おすすめの逸品だ。視野が広がることだろう。
■■■作者目線での分析■■■
一方、「作者目線」で分析した場合には、以下のとおりだ。
まず、作品数が50以下のカテゴリであれば、上位表示が比較的”楽”に狙えるだろう。
今はまだ、興味本意で様々なカテゴリを調べる読者もいると思うので、このチャンスをうまく活用すれば、ファンを増やすことができるかもしれない。
そういう意味では、「タイトルの付け方」は、最も重要な戦略だ。
作品数が少ないカテゴリで、”タイトルが目を引く”内容であれば、確実に閲覧する機会を増やすことが出来るに違いない。
ちなみに、ライバルが少ないカテゴリだからといって、安易に「有料」作品をイキナリ売ることはオススメしない。
先程もお伝えしたが、8~9割方の作品が「無料」だ。
もちろんプロとして活動していて、名前の通っている方であれば問題ないだろうが、セミプロやアマチュアの場合、相当な自信作でなければ、かなりの勇気が必要になるだろう。
というのも、「漫画」のカテゴリで、とても面白い作品に出会えたのだが、やはり「無料」で提供されていたからだ。
ストーリーと画力の両方に秀でている作品なのだが、”このレベル”でも無料だと思うと、競争の激しさが伺える。
参考までに、ご紹介すると、こちらの「ある逸話」という作品だ↓
こちらも、サイドバーに掲載させていただいたので、時間が許せば、是非一度見てほしい。
短編漫画だが、「与える」ことの”尊さ”が身に染みるだろう(笑)
【絵本コンテスト】
ちなみに「作者目線」で言えば、もう1点だけお伝えしたい。
「童話・絵本」のカテゴリが意外と多いのに気付いただろうか?
実に297作品もあるのだ。
だが、↑これにはちゃんとした理由(ワケ)がある。
パブーが「絵本コンテスト」というキャンペーン(期間:2010/09/01~2010/09/30)を実施しているため、おそらくその効果が波及しているのだろう。
大賞受賞者には、賞金50万円とiPhone&iPadの”アプリ化”というオマケが付いてくる。
今のところ、65作品(2010/09/05 12:27現在)がエントリーされているが、自信作(アイデア)をお持ちであれば、是非一度トライしてみてはいかがだろうか?
逆に、このようなコンテストが他のカテゴリでも行われるようであれば、隠し玉を普段から持っておくことをオススメしたい。
■■■その他の分析■■■
その他、パブーについて、私がなんとなく気付いたことをお伝えする。
作者目線の延長になるのだが、今(2010/09/05現在)のパブーは、残念ながら「縦書き」での投稿はできないらしい。
これは正直、「読者目線」としては少々違和感を感じてしまう人も多いことだろう。
なぜなら、人気アプリのi文庫HD(600円)などを使えば、青空文庫の書籍などは、すべて「縦書き」で見れるからだ。
パブーの「よくある質問」コーナーには、今後対応を検討する旨書かれているが、時期は明確ではない。
だが、それを見越してか、パブーの「ノウハウ」カテゴリの作品のなかで、こんな電子書籍も掲載されている↓
↑やはり、「横書きのMSゴシック」より、「縦書きのMS明朝」のほうがシックリくる人が多いからではないだろうか?
わたしは、ファンタジー系の電子書籍をいくつか読んでみたいと思ったが、見せ方が「横書き」というだけで残念ながら読む気を無くした・・・だから、パブーで出版されたい方は、この辺りに少し気を遣うだけでも大きく差別化が図れるだろう。
■■■終わりに■■■
さて、以上が、私の考えた「パブー」の”戦略的”な使い方なのだが、少しはお役に立てただろうか?
ちなみに、このパブーは、今、メディア等で幅広く紹介されている(パブーメディア掲載情報:http://p.booklog.jp/book/385/chapter/8070 )
↑どの分野にしてもそうだが、「黎明期(れいめいき)」や「萌芽期(ほうがき)」といった”駆け出しの時期”というのは、市場が未成熟なため、比較的”名”を挙げやすい。
「先行者メリット」という言い方を聞いたことがあるかもしれないが、IT業界での「ソフトバンク」や「楽天」、「ライブドア」がそうであったように、電子書籍業界にも、同じことが言えると思う。
パブーはまさにその”さきがけ”となるサービスの1つだ。
今後の展開がとても楽しみだ。
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