『平安人の心で

「源氏物語」を読む』

山本淳子 著

朝日新聞出版  2014年刊

こんばんは~照れ

先日から図書館で借りている本。
2冊目、読み進めています。
けど
もう既に借りてから2週間近く。

借りた5冊のうち、今日
3冊返却してきました。

1冊は読み終わった、
先日記事にした『源氏物語が読みたくなる本』

残り2冊はこちら↓
いちばんおもしろそう、と期待していた新潮選書(左)は、歴史的背景はあまり扱われておらずニヤリ
好みでなかったので、読まずに返却⤵️
よく考えたら、中村真一郎氏は小説家で、詩人で、文芸評論家。
大正産まれの方だし、時代の潮流として、紫式部の研究や源氏物語の解釈に、大河ドラマに通じる新しい説があるはずなかったニヤリ

三田誠広氏の本は、以前にも書きましたが歴史小説だったので。
これも読まずに返却てへぺろ

今は大河のまひろ以外の、架空の紫式部を頭の中に入れたくない気分なのでニヤリ

でも三田誠広さんの小説は昔よく読んで好きだったので。
大河が終わったら、対比で読んでみようかしら?

前置きが長くなりましたがグラサン

いま読んでいる
『平安人の心で「源氏物語」を読む』の著者、山本淳子先生は、例の”英雄たちの選択”の年始特集に出演されていた方。

とても品のあるステキな方だっただけあり、文章もステキです照れ

源氏物語の一帖~五四帖、プラス番外編で五編、それぞれについて順番に書かれています。

一帖分は見開き2ページ。
そのうち、最初の半ページは源氏物語のその帖のあらすじ。
残り1ページ半で、そのストーリーが描かれた、平安時代の背景、平安人の心に迫っていく内容。

スッゴくおもしろい爆笑

ただ源氏物語のその帖の内容を分析しているのではなく、その帖を書いた紫式部や、その帖の人物のモデルとなったとされる実在の人たちが、平安時代という身分社会で、なにを見つめ、なにに苦しみ、なにを楽しみとしたのか。

まさに、平安人の心の内に迫りながら、源氏物語、ひいては紫式部を追っていく。
そんなタイトルどおりの本です。

全部おもしろいのですが、特に印象的だったのは、九帖「葵」

いわずと知れた、六条御息所が生き霊となって、光源氏の正室・葵をとり殺してしまう帖ですが。

紫式部より少し前の時代に実際に祟った人物として、藤原元方とその娘・佑姫、父娘のことが書かれていて。
初めて知った父娘&逸話だったので、とても興味深かったですびっくり

他に、十一帖「花散里」では
巻名は誰がつけた?かについて考察していて。
いかに巻名と、各帖の登場人物たちの運命が深く繋がっているか、説明されていました。

当時の教養で、女性にも男性にも絶対的に必須な和歌。

その和歌の「歌ことば」が多く使われている、源氏物語各帖の巻名&内容は、いろいろな古歌にオマージュしながら構想されているだろうことを推察していました。

他に、紫式部のご先祖のことに触れながら、紫式部がなにに憧れ、どんな意図でこの長編物語を書いたのか、考えていたり。

推察で。
決定打のある執筆背景ではないのだろうけど。

読んでいると、山本先生の分析に引き込まれ、紫式部はホントにそんなふうにこの物語を描いたのではないか。

平安時代の読者たちは、ホントにこんな部分に共感しながら、この大作を読みふけったのではないか。

そんな気持ちにさせてくれます照れ

当時の歴史や社会についても、なかなか焦点しぼって書かれていますし。
盲点になりがちで気付かない、当時の常識というものが随所に出てきますし。

興味深いです照れ

貸し出し延長できたので。
最後まで読み進めたいと思います。


お読みいただき
ありがとうございました。