- 藤田 憲一
- 末期ガンになったIT社長からの手紙
「銀座ではたらく社長のblog」というタイトルを
目にした事はあるものの今まで訪れる機会がなく
この本の感想を書くにあたって検索していたら
なんと著者である藤田さんのブログであった事がわかり
同時に10月12日に亡くなられたとの事も判明・・・・。
ご冥福をお祈りするとともに
この本を紹介させて頂き、私なりに感じた事を少し書かせてもらおうと思います。
2004年の7月。半年ほど前から胃の痛みを感じていたそうですが治まらない痛みに会社の病院を訪れ、診断は胃潰瘍でした。
ただ、医師に質問している間にご自分で内視鏡検査を受けてみようという気になり、そしてその検査結果は思いもかけない結果が出てしまい翌日緊急入院になります。
そして下された診断はステージⅢの未分化ガン・・・。
この時に「自己責任で最善を尽くそう」と決意されたそうです。
手術は成功、3週間後に退院され、その3ヶ月後体力の回復を待ち抗がん剤治療を始められます。
そして2006年1月に再発告知。余命宣告も受けます。
今まで仕事一筋で、自分の楽しみは二の次にして何よりも仕事優先に生きてこられた藤田さん。
再発までの一年半を「ロングバケーション」と名づけ
その間にある事をきっかけにごくシンプルな事実に気付く事に。
肩の力を抜いて気軽にやればいいじゃん、と。
そして再発後の彼もスゴイのです。
確かに絶望から逃げだせないでいた日々が数日あり
しかしそれは「夜明け前」。夜明け前がイチバン暗い・・・・・・。
このイチバンの暗さを味わったその瞬間にパワーが湧いてきたといいます。
そしてガン患者なりの時間の限られた人間なりのメディアとネットの融合をはかろうと考えます。
次から次へと湧くアイディアを「自分の人生の総仕上げ」と名づけ事業計画として落とし込んでいきます。
これから残りの人生でやりたい事、すべき事を具体的に計画表に表して行くうちに
怖いものがなくなっていったそうです。
最後のシーンがとても印象的でした。
冷たい空気の中の綺麗な夜景が目に浮かびます。
ブログで読者達に対するお父様のご挨拶の中で
10年後の医療ではなく今苦しんでいる人への医療を、
という彼の意志が形になるには時間が短すぎましたが、
各メディアや友人の方々のお力添えによって、
問題提議をする事だけは出来たのではないかと考えております
と書いておられました。
彼は彼なりの個性を最大限に活かし
残りの人生を事業計画として題し
自らのネットワークをフル活用され情報発信をされていたようです。
末期がん患者への新しい治療法を、すぐに受けられるようにしてご自身の病の根治とがんという難病の治療法確立という目的に向かい、走り続けられた藤田さん。
余命3ヶ月と宣告されても9ヶ月間精一杯生きられた彼の生き様に影響されずにはいられません。
本当にお疲れ様でした。
重ねて、ご冥福をお祈りいたします。
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