奥山 貴宏
31歳ガン漂流
奥山 貴宏
32歳ガン漂流 エヴォリューション
奥山 貴宏
33歳ガン漂流ラスト・イグジット

日記形式にかかれており、日付は2002 12・15から始まっています。



最初は肺炎のような症状を放置していたら肺に水がたまってしまって入院と言う事だったらしい。


それがきっかけでいろいろ検査を受けた結果、肺がんである事がわかったそうです。


告知を受けたのは01・06。


余命2年を宣告されます。


そして次の日の日記に、この病名を公表しようと思ったわけなどが綴られています。


患者としてフリーライターとして息子として


彼の闘病の様子はとても彼らしくそしてそれは最後まで貫いていました。




実家は山形と遠いために、退院の度に東京で一人暮らしの彼を心配して


一時は両親にホスピス入りを強く勧められた事もありその時も


「心配してくれるのは有り難いが、あそこへ行けばオレがオレらしくなくなる」


という理由で拒んでおられました。



あと、独特のセンスある言葉使い達にも、彼らしさが反映されていて


騒音をノイズといったり


機械をマシンといったり

 

医師とのブリーフィングといったり


入院生活がなにか全然違う新鮮なカンジにみえました。




病室にPCをもちこみ


フリーライターとしてのお仕事やブログの更新に活用され


体力が低下して以前のように自由に買い物や行動をしにくくなってきたりしても


積極的にアマゾンやネットショップなどを利用する様子なども記されおり


「通常の闘病記にしたくない」


「オルタナティブな視点で」


まさにそういう点でも今までにはなかったタイプの闘病記でした。




「ラスト・イグジット」はなかなか手にとって読もうという気にならず、


それでもなんとか読み進むうちにページが残り少なくなってきて


胸をしめつけられながら読んでいたのを思いだします。


なかでも「御挨拶」として彼のお父様や「サ母(サイボーグお母さん)」ことお母様の書かれたところを読む時は


涙が次から次へとあふれて止まりませんでした。



いつも思いますが


がんを実際患い、いろんな経験や思いをされた方の闘病記を読んで


私なんかが感想をのべるには


どうやっても薄っぺらーな表現しかできず申し訳ないのですが

 

読みながらその本に自分がいかに励まされ、役立ったのか


もしあのときの私と同じ思いでネットを彷徨い続けている方がいればその方に


その本を紹介する事で少しでも役に立つ事ができるんじゃないかと思い


文才のない脳みそを振り絞って(これでも


紹介させてもらってる次第であります。

 



小説「ヴァニシング・ポイント」


まさに最後の最後まで力を振り絞ってできた渾身の作品。



奥山 貴宏
ヴァニシングポイント
奥山貴宏ブログ 32歳ガン漂流 エヴォリューション
http://www.publiday.com/blog/adrift/