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イングランド・ヴィクトリア時代の恋物語を見事に描き切った、
あの「エマ」を手掛けた森さんの新作ですよ。

今回は19世紀、中央アジア・カスピ海周辺に
定住する部族の少年・カルルク(12歳)に、
山を越えた向こうに住む遊牧民からのお嫁さん
アミル(20歳!)が嫁ぐ所から始まる物語です。

いやー、相変わらず凄い描き込みですねw
表紙の絵柄からもお解りになるとは思いますが、
エスニックな衣装や住居を彩る繊細な文様の見事さには正直、
目を奪われること請け合いです。
また、その土地で生活する人々の生き生きした様子など、
エマの時もそうでしたが、その文化を良く知らない自分でも、
その民族や生活様式に対しての興味を充分に引き出してくれましたよ。

とまぁ、なんだかそれらしい事を色々言っておりますが、
やっぱりこの漫画の一番の魅力は、
カルルクの姉さん女房であるアミルさんに尽きますw
たった12歳の少年・カルルクに対して、
何のわだかまりも無くベタ惚れしている様がとても可愛らしいんですよw
夜が冷えるからと裸で抱き合って眠ったりとか、
なんでもない風邪をひいたカルルクが心配でオロオロしている様子とかw
見目麗しい美貌を持ち、尚且つ気立ても良く、
馬を乗りこなしつつ弓をを射れば百発百中と言うこの女性を、
まだあどけなさの残る少年が嫁にする・・・。
ある種、男の夢と言うべき物を叶えたカルルクが羨ましすぎますw

また、カルルクはカルルクで、家を継ぐ跡取としての自覚があるのか、
12歳らしからぬ実に確りとした少年ですよ。
8歳上のアミルさんに対して少々戸惑いつつも、
20歳と言うこの時代では少し歳の行ったお嫁さんを気遣ったりと、
男の自分の目から見ても本当にいい男ですw

これらだけを見ると単純に、
新婚歳の差夫婦のほのぼの家族漫画のように思われるかも知れませんが、
それだけでは無いんですよ。
なんと、アミルさんを嫁に送り出した遊牧民の連中が、
アミルさんを取り返そうと談判にやって来るのです。
緊張が走るカルルクの家族、当然対立する両家の言い分、
幸せな二人の間に風雲急を告げるドラマがその後どうなるのかは、
是非その目でお確かめ下さいw
オススメ!


あ、作者である森さんのインタビューと、
貴重な作画風景の動画がこちらで見られますよ。


しっかし、思った以上に細かい作業ですねぇ・・・。
だんだんと絵が仕上がって行く様には本当に溜息が出ますよw
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