私の中でステラという響きは

どこかお高くとまっている、扱いに気を使うリールとか

エキスパートが使っているリールなどというイメージがある

女優で言えば顔は綺麗なんだけど性格が気難しそうなタイプ

しかし、ステラをあえて防波堤のコンクリートの上に直置きして

キズキズにするのがステータスなんだよという、強者も居たりして

とにかく特別なステータスがつきまとう、それは22ステラも例外でなく

いたずらに、自重やローターを軽くして物理的な性能面はバンキッシュに譲り

スペックには表れないステラらしい、官能的で上質で重厚な巻き心地が

22ステラにも感じてとれる。見た目も高級感を全面に出した作り込みで

ザ・精密機械という感じである。しかし個人的には川で釣りをして

石の上に転がしたオービス50Aやカーディナル3のほうが

自然との親和性があって魅力を感じている、さらに草やら泥なんか付いている絵があれば

もうこれだけで酒が飲める(実はほとんど飲めません)

まあ、いずれにしろ、そこに落ちていたら

大多数の人はオービス50Aやカーディナル3 よりステラのほうをとるに間違いはない(笑)

しかし実際、オービス50Aやカーディナルは意外にも密巻きなので

飛距離がとんでもなく出ることは、IOSユーザーなら誰しも体感している事実である

 

さて、話が本題から脱線してしまったが(こちらのぼやき話のほうが盛り上がる)

22ステラの最大の特徴はスローオシレート機構による密巻きであ

00ステラでさえハンドル7回転で1回のオシレートに対して

22ステラはハンドル8回転で1回のオシレートと、よりラインが平行巻きに近くなっている

初めてリーリングした時にはオシレート動いてないんじゃないかと思ったほどである

この採用にあたり、賛否両論があり、ライントラブルのリスクが

懸念されて、これをスローオシレートのせいにする人がいるが

あくまで、ラインヨレはラインローラーの回転の影響による所が大きく

よく回るカスタムラインローラー(笑)にすることで、ライントラブルは減少していき

本来のスローオシレートの最大のメリットであるラインの放出抵抗の軽減による

飛距離UPを図れる場合も時にはある

 

しかしながら、ライン巻きが従来の場合は斜めに折り畳むように巻かれていき

ラインの束にラインが食い込むのを防止していたのに対し

巻き取りラインの角度が斜めに巻き取れるのでなく、より平行に近い角度で

ラインの束に巻かれていくので、特に極細糸でのテンションの少ないルアーを

頻繁にキャストするような釣り、具体的に言えばアジングのジグ単や

エリアの表層マイクロスプーンでの釣りでは、場合によってはラインの束に

食い込んだラインの放出抵抗により飛距離が低下したり

場合によってはライントラブルが出やすくなり

スローオシレートの恩恵にあやかれない場合もある

 

反面太糸でのある程度の負荷のかかるルアーでの釣りには

密巻きならではの最高の効果を発揮する

 

 

こうして賛否両論あるスローオシレート機構であるが

オシレートがゆっくりということは、オシレート比がローギアということである

私は常々リールには2つのギア比があると勝手に思い込んでいるが

それはリールの巻き取りのギア比とオシレート比という2つのギア比である

これはスピニングでもレベルワインドの備わっているベイトでも、変わらない

実際にオシレートさせるには、相当なリトリーブの抵抗になっている

それがローギアであれば、理論的には俗にいうリトリーブの軽巻きとなりうるのである

 

さらにドラグ性能向上が図れる、こちらもあまりメディアで語られてないが

ドラグが出てスプールが回転する際にラインとラインローラーとの角度が

比較的変動しない為に一定のテンションでドラグが出やすい

反面従来のオシレートはラインがクロス気味に巻かれる為に

レベルワインドに対してのラインの角度が頻繁に変動し

厳密にはスムースには出にくいのである

これは横幅が広いベイトリールにも言えることであり

スプール左端と右端とでは、レベルワインドへの進入角度が変わり

その頻度は密巻きより荒巻きのほうが頻繁に変動するから

スプール幅が広いベイトリールのドラグ特性は特に要注意である

例えば、私がトローリングに使用しているABUアンバサダー10000番

ドラグ性能は10LBリーダーが心配になるほど絶望的に悪い

 

 

また、極端にスローオシュレートにしてしまうと、究極を言えば

完全平行巻きとなり、ラインの束の中に完全にラインが食い込みやすくなる

これもスピニングは勿論、レベルワインドが備わっているベイトリールも同様である

よって理論的には22ステラのほうが18ステラより軽巻きとなりはずであるが

スローオシレートするということはギアの数を増やして減速しないといけない機種もあり

例えばステラC2000Sで比較しても、18ステラと比較して22ステラは新規で中間ギアが2つ追加されており

ギア同士のメカニカルロスが発生しているのである。こうなると感度低下や巻きの重みが懸念され

単純に22ステラは巻きが軽いと言い切れないのがリール整備の奥深さである

 

 

今回私が導入したのはC2000Sと4000XG、共にドライブギアは18と比較して

太く幅広くなって、幅広い面積で噛み合うようになった。こうなると

徐々に脱マイクロモジュール化を進めているとしか思えない(笑)

摩擦抵抗増による感度低下や巻き重みをいかにクリアしていくかがキモである

 

 

シマノ見解では、ピニオンギアで支持していたメインシャフトを

特殊低摩擦ブッシュで支持することで摺動抵抗が大幅に軽減と謳っているが

ピニオンギア先端は、なんとかファクトリー同様に

樹脂ブッシュでメインシャフトを支持しているものの、小型機種については

ピニオンギア後端は18ステラ同様にメインシャフト表面とピニオンの内壁による

金属同士が接触しており、ここの潤滑が悪くなるとシャコシャコ音がしてくる

チューニングの最大の重要ポイントであり、現在IOSではここも樹脂仕様とし

完全フルフローティング化を試作している

 

 

こうみると、18ステラも悪くない、22ステラとはギアやオシレート機構の違い

そして異常な入手困難さと価格高騰を除けば、ローターその他の作り込みもほぼ同じという(笑)

18ステラ・・むしろ今が買い(笑)