ダイワやシマノのリールが全盛の頃に、熱狂的なアンバサダーユーザーの対局で

一部のトップウォーターの人達が使っていた国産のリールが

五十鈴リールである、ここの林社長とは、メチャ古くから面識があり

川越と言えば、小江戸と呼ばれるほど

べらんめえー調の林社長と上州弁の私が話していると

フイッシングショーでは周りがドン引きするほど

喧嘩しているのではないかと危惧されたこともしばしばあった

当時はABU5500Cクラスのリールをメインに製造していたり

サイモンから頼まれてABUのOEMをやっていて

「オカバスは血のおしっこ出たことあるか ?」と言われたほどの苦労人である

エリアブームの創成期の頃に、私がアンバサダー1500Cや2500Cで

渓流トラウトで3gのルアーを投げるのが流行り出してるよと話したことがあり

五十鈴リールとしては、小さいリールで軽いルアーなんかキャストして

何が面白いんだと、なかなかこちらの考えをわかってもらえなくて

翌年のフイッシングショーでアベイルの社長を無茶振りで紹介した

私としては、無理やりくっつけちゃえ!感が今となっては

否めないものがあるが、軽量スプールで名を馳せていたアベイルと

なんでも出来そうなリール屋とのコラボは最強とも思えたからであ

そうこうしているうちに、半ば周りに押される形で

五十鈴リールとしてはミニマムサイズの420や421シリーズを作成し

プロトが私の手元にも送られてきた。とうとうやってくれたか!と胸が高鳴った

(当時はまだアベイルとソリが合わなかったのかスプールは非アベイル)

しかし、今でこそ品薄で人気の420シリーズも当時はメチャ売れなかった、やがて

販路を中国へと向けた五十鈴リールは中国市場で絶大な人気を得ることになる

やや遅れて五十鈴ブームが日本に湧き上がった

これはアベイルの軽量スプールの搭載により

渓流ベイトフィネスのカテゴリーが本格的に認知されたのである

しかし、皮肉なことに、売れればリールの組み立てが追いつかず

私も相談を受けて何人かを川越工場へ面接に連れて行ったこともあ

さらに国内の流通が極めて厳しくなって現在に至るのである。

現在は転売目的の投機的リールの代名詞ともなってしまったが

個人的には本当に楽しみで使っている人にこそ使ってほしいと思っている

そんな感慨深いリールがBC-420/421なのである

前置きが長くなったが、実際に420をチューニングしてみることにする

1 現行のBC 420SSSはドラグクリッカーが装着

 IOSオイルやIOS ギアグリスとの相性が抜群に良く

 工業製品らしい、ガチャガチャ感から

 しっとりした、シュルルーンな上質な回転へと変貌する

2 レベルワインドの2BB仕様は、五十鈴ならでは

  リールの基本は徹底的にセンターを出すことに尽きる

3 画像でわかりずらいが、とある加工を加えている

  レベルワインドAssy、この加工をするかしないかで

  質感とキャスタビリティが変わってくる。3g以下の

  ベイトフィネスにはIOS-007は必須アイテム

4 アンバサダーとは一味違うセクシーな佇まい

  クラッチの響き、リトリーブの質感、キャストフィール

  フルチューニングで、使い心地がここまで変わるリールも珍しく

  高性能だけが全てのリールの価値じゃないんだよと語りかけてくる

  まさしく酒の友にふさわしい

5 420と421もIOSハンドルへ交換し、より実践仕様へ

  個人的には純正スプールでまずはその良さを味わってほしいと思う