私が若い頃は、釣り道具屋は
おとぎの国にいるような特別の場所であった
真新しく煌びやかなリールやルアーの数々
おびただしいロッドの本数をみて
時間の経つのを忘れるほどの特別の空間であった。
ほとんどの場合、釣り具屋と言われる小規模店舗のオヤジは
どこか一癖と二癖もある、近寄りがたい雰囲気があったが
小言を言われながらも、色々なことを教えてもらった記憶がある
そして、これが大人の世界なのかと、知識だけは蓄積していった
勿論、欲しい !と思ったものは大抵がとても気楽に買える値段ではなく
いつか大人になったら買いたいなあーと願望ばかり強くなっていっ
さて昨今、そんな小規模店舗が目に見えて消失し
大型量販店が幅をきかせてきている
本部の意向を反映してなのか
陳列しているものは、黙ってても売れる
雑誌やメディアで人気の製品ばかりとなって
どの店にいっても同じ品揃えに近く特色が感じない
店員は事務的な対応が目につき、聞いても知識が乏しく
ひと昔のような、熱いスタッフは極めて少数になってきた
こうなると、IOS製品みたいな、スーパーニッチなアイテムを
取り扱う店舗は皆無になってきた。
毎月販促資料を送りつけても無視の連続、ついに新製品情報や
発注書を私の指示でストップした店舗も数多くなってきた
それは過去に頻繁にイベントを実施していた店舗であってもである
ユーザーによっては、どうしてお店に製品を置かないのですか?
仕入れてくれないものはしかたないし
店員に知識の習得の意欲が乏しければ継続性は見込めない
実際これらは各メーカーも同じ悩みを抱えているようで
実店舗がアテにならないならと
弊社のみならず、ほとんどのメーカーが
実店舗に製品を卸しながらも、ECサイトと呼ばれる
インターネットに代表される通販サイトで
直接、間接問わず販売網を構築して業績を伸ばしている。
弊社もECサイトでの販売割合は年々高まる一方で
昨今は2日に一度、新規取り扱いの問い合わせがきているほど
EC市場は、
こうなるとユーザーがECサイトに移行する流れになり
ますます実店舗の業績は低下し、雇用環境の悪化により
優秀な人材は流出し、弱体化していく。
今後のアクリスタの販売など、個数限定の商品があれば
当然、一年に一度あるかないかの店舗より
毎月仕入れてもらっている業者には優先的に発送したいのが本音で
そうこう考えていくと、実店舗ならではのメリットである
見て、触って、
今後実店舗はますます衰退し、
アクリスタが発売になった所で、お客様にしっかりとした
フォローも出来ない、店舗に卸すわけにはいかないのである
1 透明感が高まってきた、