先日18イグジストをフルチューンして上機嫌だったお客様から
暗いトーンで電話がかかってきた、ゴロ感がとれないと言う
早速ギアを検証してみた。ギアは言うならば
リールのドライブレコーダーのようなもので
摩耗の仕方で、どのような使われ方をして
どのような管理をしたかが手に取るようにわかる
ギアはそう、性格まで反映するから恐ろしい(笑)
早速ピニオンギアを触ってみると
目視では分かりづらいが
爪がひっかかるポイントを大小3箇所発見
打痕である、打痕とは激しい衝撃がリールに加わることで
ギア同士が干渉し傷ついてしまう状態を言う
リール側を観察すると、アームレバーに擦れたような傷が・・
もしかしてリール落としましたか?とお客様に確認。
お客様・・・落としたことあるんです(涙)・・・
もしかしたらギア交換になりますねーと・・・
早速ギアのラッピングをしてはみるものの
組み付け後の質感が芳しくなく
ここは潔く交換と相成った
そして元どおりの上機嫌なリールに戻り
お客様も大満足、お金はかかったが
メンタルはアゲアゲである
ロッドと比べてリールは実に人間臭く
しかも、調子が悪いとメンタルにも響く
たかがリール、されどリールといわれるゆえんである
1 打痕がみられるピニオンギア
超硬製の特注ベアリング治具でハイパーデジギアを公差管理している所
ギアの寸法も確認、修正するだけでなく、ベアリングも当然公差を確認
しかしそれで終わりにあらず、組み付け時の最大のキモ
センター出し作業が待ち構える。高精度のギアは勿論
ブレの少ない高精度のベアリングほど芯出しはシビアで難易度が高い