オシレート比が重要な鍵になるということで

スプール最下点から最上点までを1サイクルとした場合の主要な各リールを検証してみた所

TD 2004系はハンドル1回転あたり、スプールのオシレートがちょうど1サイクルなのである

現行の18イグジストは、ハンドル1回転のタイミングでは、スプールのオシレート(上下動)

は1サイクルに及ばなく、ハンドルを1回転以上回さないと1サイクルにならない

ウォームギアを有しているシマノ系リールも、プラットフォームはTD系に

酷似しているにも関わらずしかりである

ちなみにカーディナル3/33系もほぼハンドル1回転あたり1サイクルでオシレートをする

しかもカーディナルとTD系のスプール幅は対照的なくらいに違い

カーディナルは超ナロースプールの為、結果飛距離が出やすい密巻きになっている

カーディナルがTD系と比べて飛距離が出るのもそう言ったことが理由なのである

オシレートがハイサイクルになればなるほど、巻きの抵抗は厳密には増幅していくが

ドライブギアのギア比のようにハイギアだから、巻きだしが重いとか

パワーが弱いと感じることも少ないが、厳密にはトルク変動の差が大きい

表現が適切かはわからないが、ハイギアは巻きだしが重いから、最初からトルク変動を感じつらく

ノーマルギアだから、巻きは軽いからこそ、ハイオシレートのトルク変動を感じやすい

結論から言うと

「TD系は現行リールと比べてハイサイクルなオシレートにより

トルク変動の変化が大きく出ることで微妙な巻きの変化を感じやすい」

                       IOS 岡村

巻き抵抗と一口で言っても、以外と知られてないが小さなスプーンというよりは

水中に横たわったラインの抵抗に起因することが大きい

なので、TD系を使ったレンジの変化はラインの抵抗感で掴みやすくもあるし

スプールのウォブリング抵抗もメリハリの差で感じやすいのも事実

なのでスプールの動きと後ろから魚がじゃれ付いて

スプーンの動きを乱した引き抵抗の違和感をも感じやすい

これは一種のハイギアオシレート比特有のトルク変動が感じやすい為と思われる

前述の理由から、スピニングにおいてバス釣りのI字系や

ミドストでも大変使いやすいのも事実

未だに、シーバスにおいてもタフな状況やバチパターンでは

TD系を愛用しているアングラーも少なくない

さらには、ミノーの連続ジャーキングさえ

実にミノーの挙動と巻き重みのバイトがつかみやすいと感じている

ベイトリール についても前述のハイサイクルなレベルワインドを搭載したリールは

ラインの中にラインが食い込むトラブルを防止(特に極細PE)効果があるし

巻き感度に優れている傾向があり、ヤマセンコーのスローリトリーブなどで重宝している

話がそれてしまうが、ベイトリール機種によっては

ハイサイクルの抵抗が時に飛距離においてはネガになることがある

アンバサダーや五十鈴リールのように

キャスト時のスプール回転時にレベルワインドが連動するものは

あまりハイサイクルだとスプール回転抵抗が生じ飛距離が低下する

因みにアンバサダーは、レベルワインドが端から端まで移動するときの

ハンドル回転は4〜5回転、五十鈴リールは2〜2.5回転と

PEラインのライン食い込みを考慮したハイサイクル化をされている

その為、アンバサダーの方がローサイクルとなり、PEラインは食い込みやすいものの

スプールを回転させる力の抵抗が少ないので、結果飛距離が出る

これらはアンバサダーと五十鈴リールとの、飛距離の違いの一因にもなっている

いずれにしろぜひメーカーも新しい付加価値として、巻き感度について

物理的な検証をしてほしいものである(笑)

さていいことづくめのTD系にもウィークがあるとすれば

現行で程度の良いものが少なくなってきたことと

精度的な個体差が多く耐久性に劣ること、さらに

パワー不足とハイギア仕様のモデルがないことである

なので、巻き感度が優れているからと

効率優先&大型が混じるエリアでの優位性は

後継機種のリアルフォーと比較しても弱い

貴重なTD系を温存するべく、低活性でアタリが弱い極寒期はTD系を

その他の時期は現行リールを使い分けをしているアングラーも多い

いずれにしろ、感度優先かスピード&パワー優先かの使い分けが重要になってくる

IOSでは、両方のメリットを生かしたいい所取りをするべく

現行リールでのハイオシレート化が出来ないか?という検討を

2010年頃から今日まで、試行錯誤をしながら実施している

ヒントはハイギアリールは当然ローターの回転に合わせて

オシレートスピートが早くなるから

そのオシレートシステムをノーマルリールに移植するという方法

シマノでいうなら、10ステラHGのウォームギアを

ノーマルギアの10ステラに組み込んでみたこともあった

理論的にはハイオシレートの出来上がりである

実釣では、ステラのローター自重がネガにはなるが

変装する前と比較して、なんとなく感度が上がった感じはした

ダイワなら、ハイギアリールのオシレーティングギアをノーマルギアのリールに組み込む

しかし、それらの結果今までみたことがないトラブルが発生したのである

それはまたの機会に(笑)