問題 5 そもそもアップか?
これほどまでに巻き取りが遅いベイトリールをアップで使う必要があるのかという問題がある
ベイトタックルは実際問題として行く川を選ぶのである
反面ベイトをクロスやダウンで使うと、ベイトリールのデメリットが軽減して
フリーでルアーを流し込んだり、ダウンでスイムさせながら流し込みながら
アタリがあればスプールを押さえてのフッキングなどの芸当も
流し込む時にはフェザリング主体のスピニングより、フッキング等ははるかにやりやすい
問題 6 ショートロッドでいいのか?
アップストリームでは便利で楽しいショートロッドも
物理的にスピニングと違いベイトリールは
スプールを回転させてキャストする構造の為
どうしてもスピニングのような鋭いキャストが苦手であり
キャストにはスプール回転のタイムラグが生じる。さらに
ショートロッドはその特性上どうしてもコンパクトな振りになり
初速が付きすぎてキャストしずらい。よくあるのは
バットが固くてベリーから先が極端に柔らかいショートロッドである
実際に快適にキャスト出来きてしまうが、それとて
あくまでアップでのタダ引き&ジャーキングのリトリーブ主体の釣りにならざるを得ない
これでは渓流のわずかなスポットや水深が深い場所でヘビーシンキングミノーを
精度よくリフト&フォール操作する技法は難しく
出来たとしても、ルアーアクションが大げさなにならざるを得ない
実際問題として思うのは、日本のハイプレッシャーが普通の河川で
タダ引きで容易に釣れる川は限られ、釣りこぼしも多い
さらには、テップが柔らかいロットはフッキングがどうしても甘くなるし
イワナの硬い顎を貫くパワーが不足することが多く
バットのフレックスだけでキャストすることになるので、初速がつきやすく
スプール回転ムラが出やすくバックラッシュしやすくなり
5フィートのロッドであっても実質3フィート程度のロッドがキャストする感覚となり
キャストフィールが極端に悪くなる
昨今はスピニングもベイトロッドもショートロッドが流行しているが
様々な基本性能においてハンデがある(それも楽しみの一つであるが)
反論を承知でいわせてもらえば、これからベイトフィネスを始めようとする方には
6フィート以上の、荷重に応じてスムースな弧を描く可変テーパー系のトルキーなロッドをお勧めしたい
長いと思って、柔らかく短くしたところで、ルアーアクションがやりづらくなる
また川の形態によっては、ラインスラッグの処理に大変気を使う
無駄なラインを出しすぎてフッキングやアクションまで至らないことが多々ある
ハイギアリールならラインスラッグの処理も
ノーマルギアだと巻き取りが忙しいのである
また前述のクロスやダウンストリームの釣りでは
ロッドの短い分流すコースが確保出来ずに
川の流心部まで立ち込が必要になる場合があり
水深があり流れが早い川では無理がある
私がこれから渓流ベイトフィネスを始めようと思っているビギナーには
ダウンストリームで6フィート以上をすすめる理由でもある
問題 7 ショートハンドルで良いのか?
渓流ベイトフィネスリールで使われるハンドル類は
リール本体とのルックスを考慮してショートハンドルが多い
これは古来ベイトリールはダイレクトリールしかなかった当時
キャスト時にハンドルも回転する都合、ハンドルはできるだけ短く
尚且つ、シンメトリーがとれるダブルンンドルが都合が良かった為である
しかし、ローギアの特性上、巻きはどうしても早巻きとなるので
最低75mm以上の長さが現実的だとは思っている
極論 まとめ
スピニングならそこそこの汎用性があるので
そこまでシビアに考えなくても良いとは思うが、ベイトリールとなると
慎重な検討をされることをお勧めしたい
私の場合、リールはアンバサダーを主体に
6g以上なら五十鈴リールも使用はする
以前書いたが、レベルワインドのオシレート・メカニカルロスが少ない
アンバサダーのほうが同じ3g比較ならキャストしやすい
ルアーは4g前後のヘビーシンキングミノーかハスルアー が主体
ハンドルはアクション主体なら左巻き、ダウンストリーム等で巻き主体なら
リトリーブ中にアタリをとる都合、圧倒的に右巻きが使い易い
そしてキャストは開けた川以外はほとんどピッチングが主体
流れの緩い川ではアップストリーム
流速が早ければクロスかダウンを主体に6フィート以上のロッドを使用している
使用するリールはフルチューンしたアンバサダーや五十鈴リールを使用
特にアンバサダーはフルチューンのビフォー&アフターが極端に変貌するので面白い
但し、行く川でスピニングの選択肢も柔軟に考えていく
もっとも、こだわりはしかるべき、あくまで一個人の意見として参考にされたし