最近まで話題のアニメの中で全集中と言うワードがある

脳にたっぷりと酸素を深呼吸により送り込むことで

心臓の鼓動が高まるとともに血流が高まり

パフォーマンスが最高潮に発揮するという

しかしながら、私の場合に限っていえば

集中すると、ろくなことはないと感じている

むしろ、柳生新陰流で有名な柳生宗矩が説く平常心こそ意識したいのである

これは、良い技をしよう、うまくやろうという心を捨てて

一つのことに執着することなく自然に手足が動く状態を心がけることで

兵法でも、動転した心、怒った心、勝負を争う心でやれば失敗すると説いている

一つに固まることなく、流れるように動ていながら動かぬ心を持つ。

これぞ、柳生新陰流の極意に通じるとも言っている

しかし実際の私の場合は散々たるありさまで、職業柄肩こりが酷く

行きつけの整体にいくと決まって力が入りっぱなしですねーと言われる

確かに言われてみれば、日頃の生活や趣味。そして

唯一寝ている時でさえ、歯ぎしりをしている人もいるくらい

人間は心身とも力を入れながら生きていることで、筋肉が硬直し

様々な障害の元になっていると感じることがある

力を入れることは簡単だが、抜くことが難しいと最近特に思う

パンチを繰り出す時も最初から力が入ってしまっては

パワーのあるパンチが出ない

格闘家は目つきから相手の次の動きがみえると言う

実際の所、リールの分解から組み付けまで

力をいれてしまうとろくなことにならない

作業に疲れてきたり、今日はノラないなあーと思う時は

よくモノを落とすことはないだろうか?

人間疲れてくると精密作業をしていてどうしても

手元で作業しようと無意識に強く手が働く

そして日本人の工具の特性上、手前に引こうとする動作が顕著に出るから

モノを引っ張り、ポロポロ床に落としやすくなるのである

これも無意識に疲れてくるとやってしまう行為とも言えるだろう

リールを分解する時の工具の置き方で、今日は乗ってないなあー

疲れてるなあーと客感視することがある

ノッテる時は工具が右斜めに整然とおかれているに対し

疲れてきたなあーと思う時の工具の配置は実にバラバラになって

ペーパータオルも酷く汚れているし、いつもはほとんどオイルが付着しない

手やドライバーもベトベトとオイルが付着してしまっている

これも心の乱れと自覚し、そのような時にはミスをする前に早めに切り上げることにしている

不思議なもので、しばらく遠征とかで整備をしていないと

いつもは赤ちゃんのような柔らかな指の腹も固く硬直しているし

指で触る感覚も鈍くなってしまう

実際の話、そんなことが繰り返し起こるならば

それこそは私がドライバーを握らない時期にきたと自覚し

潔くリール整備の請負はやめようと思っている。

ビスをゆるめて、パーツを外す時、特にベアリングを外す時には

注意深くゆっくりと、地球の重力を意識して謙虚な心を持って外すことを心がけよう

どのくらいの締め付や精度公差をとって組み付けられているかの

現状を把握しないで、ポンポント外して、我流と思い込みで

無理やりビスやパーツをねじ伏せた所で、怪我もするし、ろくな結果にはならない

リールの状態を把握た上で、リールと会話しながら力を抜いて分解し

組み付ける時は特に力を抜きながら、地球の重力を感じながら

正しい位置に入れると、回転物なだけに、正しく芯が出る

それらの動きも他人がみたら早すぎーと思われるかもしれないが・・

自覚としては常にある。リール整備は極論すればいかに力を抜けるかである。

私にとって平常心の道のりは程遠い。