高精度の組み付け技術と聞けば聞こえはいいが
例えば同じリールが10台あると
10台とも全て精度は違って当然であるし
リールにとって生命線とも言える、個々のセンター(中心軸)は
それに伴いズレているのが普通だからである
私はリール組み付け時、ベアリングの精度確認や
フレームの精度用に、柔らかく皮膜が安定しないアルマイトのものでなく
超硬の特殊な治具で精度を管理している
これらは、全て特注に作らせたもので大変高価となり
1000分台まで精度が管理出来る優れものであるが
ボディの材質が樹脂か金属か、室温25度付近にして組み付けてはいるが
野外での使用も想定すると樹脂の膨張率も考慮しないといけない
なにしろ極寒と真夏では、温度差はゆうに50度を超えるのである
それにも増して、ギアというものが意外なほど精度が悪いし
スピニングリールならメインシャフトの精度のばらつきは
コーティングの理由もあるが、相当に気を使う
早い話が、精度が悪いフレームに精度のばらつきが大きなギアを組むようなものである
こうなると、組み付けに際しては
ある程度の経験に頼ったほうが結果的にはうまくいく
さらに極端な例でいうと、ABUアンバサダーやカーディナル
もうこれらのリールの精度は史上最悪という表現がふさわしい
そもそも中古のアンバサダーなど、複数の人の手に渡っている可能性のあるリールは
内部も相当に部品も交換されているものと考えて
リールを高精度のプラモデルと思って信用してはいけない
しかも、この破茶滅茶なリールをスムースに回す→センターを出す
これを一般的にするなら、フレーム修正器で修正をして
ベアリングを高精度のものに交換したら
すげーよく回る!!なんてことは稀である(笑)
なにしろ付属のパーツもとんでもなく精度が悪いのだから・・・・
精度が悪いフレームには、あくまで自然の成り行きに合わせて
精度の悪さを常に念頭に置きながら、それなりにセンターを意識しながら
組み付けていくのが正解。そのための各部の修正を私はしていき
オイルやベアリングに頼らないで、まずは回転性をいかに向上させるかを念頭に置く
回転性がよければ、オイルや高精度ベアリングを組み込むことで
パフォーマンスは最高潮に達するのである
一見消極的とも思える方法であるが、物理的には理にかなっている
昨今渓流ベイトフィネスが流行っているが、フルチューンリールならば
ABU2500などノーマルスプールで3g程度のルアーがキャスト出来ることは
常識的に可能であり、そこをベースとしてさらにカスタマイズしていくのが望ましい
1 チューナー泣かせの樹脂ボディ、ボディが全て樹脂ならいざしらず
一番気を使うのは、片方が金属のハイブリットの場合である
膨張率が居なる場合、組み付け方法にはより気をつかう
2 超硬製の特殊な治具でベアリング位置の確認と修正をする
3 ベアリングチェッカーも超硬製、IOSベアリングは
回転性は勿論、室温25度/24時間にて1000分台まで精度測定する