ある方の
「離婚」
についてのカウンセリングを続けていた時のことです。
その中で、
すごく心に残る話題がありました。
「変わる」
という言葉について。
「変わろう」と伝えることは、
時に人を大きく傷つけてしまうことにもつながります。
そのカウンセリングのスタートは、
『離婚を切り出されたけどどうしたらいいか分からない』
という内容でした。
自分の至らなさのせいだとご自身を責められて、
毎日がとても辛い、
後悔ばかりが続いている
と。
気持ちを整理するために
じっくりと話を聴きました。
何度かに渡って話を続けていく中で
ふと告げてくれたことがあります。
「一緒に変わろう、
ではなく、
二人で頑張ろう
って言って欲しかっただけなのに・・・」
「変わらないといけないくらい、
私を受け入れてもらえなかったのか
と思っていました・・・」
恋愛から結婚に至る時に
「一緒に変わろう」と言われ、
小さな違和感を感じたそうです。
その違和感は徐々に大きくなり、
なぜ理解してもらえないのか?
という疑問から相手に対して攻撃的になったり、
自分には価値がないからのか?
と自分を否定してしまったり。
すごく苦しみを感じていた
ということでした。
これは、
「変わろう」と言った相手を
責めたいわけではありません。
相手の方は、
良かれと思って言われたんだろうと思います。
「今はまだ未熟だけど、
これから二人で成長していこう。」
そんな想いが込められていたのかもしれません。
でも、
結果として傷ついてしまった。
「今の君が好きだから」
と、
今を認めてもらう部分が欠けていたから。
人は、
周りに認められたい
という欲求を持っています。
小さい子どもだったら
「ねぇ、このパズルひとりで作ったよ。すごいでしょ~!」
とか
「ほら、この絵、上手に描けたでしょ~!」
のように、
自分から認められたい想いを表現します。
笑顔で嬉しそうに。
大人になったあなたは、
いつの間にかそんなことしないようになっていませんか?
誰かれ構わずに
「すごいでしょ~」
って言って回るのはちょっと考えものです。
なので、
身近な関係の中で
今できているところを認め合ってみましょう。
認めようと言っても、
最初はピンと来ないかもしれません。
認めるには、
見て+目にとめる
という意味があります。
いいところ探しと思ったら
イメージしやすいかもしれませんね。
・ご飯を毎日作っている
・しっかり話を聴いてくれる
・笑顔が素敵だ
・一緒にいると安心する
・字が丁寧だ
・
・
書き出すと次々に出てきそうですね。
まずは10個を目標にしてみましょうか。
特に、
身近な存在であればあるほど
今の状態を認めて受け入れることは
必要だと感じています。
やっぱりこの人と一緒でよかったという
心の安心領域が生まれるからです。
変わるのはそのあと。
変わることは、
周りから押し付けられるものではなく
内側から出てくるものです。
まずは、認め合いから始めましょう。