居織のブログ

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居織建築工舎のブログ

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草木の新芽が勢いを加速させ、庭に飛び出したい陽気です。

これからの季節、活躍するのが全開になるサッシ。住まい作りの際に押しつけがましく毎度、御提案させていただいております。



窓の姿が壁に隠れる仕掛けになってますので、内外の境界が消え庭と室内がダイナミックに
繋がります。 

 
草木の好きな方にはたまりません。
晴れの日はもちろん、雨の日も軒先から落ちる雫さえも絵になります。

 
四六時中、外を眺めて暮らすわけではありませんが、家の中でふっと季節感を感じる機会が
格段に増えます。
 
 
 
全開にした開口部は、ちょうど絵画の額縁のような役目となり、景色を切り取ってくれます。
そこに映る景色をより良くするために、住まい手さんは積極的に楽しみながら外に出て、
手入れすることになります。そこが狙いでもあります。

植木屋さんに作庭をお願いする場合でも、そのような空間があると、植木職人の物つくり魂に
火が付き、より良い結果になることが多いです。

  
  
最近はアルミサッシメーカーでもそれらしい商品がありますが、木製の建具の魅力には
かないません。
 
   
 外に開いて暮らすのが日本家屋の歴史ですが、断熱性能を求められ、閉鎖的になりがちな
昨今の住まいつくりに、これからも強く御提案したい、そんな窓です。

 


 昨年から普請してまいりました、根白石の住まい。
完成・お引き渡しとなりましたので御紹介します。


 
 経年変化が楽しみな板張りの外観。


 
 居間の様子。全開になる木製サッシが室内と外をつなげ、大変気持ちの良い空間です。


 
 どこで靴を脱いでもよい玄関土間。


 
 玄関の脇にはたくさんの靴やら収納できるスペース。


 
 居間に接する小上りの畳スペース。


 
 ステンレスのシンプルすぎるくらいのキッチン。奥の引き戸を開けると食品庫。


 
 庭造りはこれからですが、台所からは鍋を焦がすくらい料理の集中力を奪うほどの眺めとなる
事でしょう。



 
 4人のお子さんの共同の勉強机。


 
 遮る壁はない2階の空間。


 
 
新築ですがずいぶん前からあるように、田園風景に溶け込んでいるように感じます。
設計島建築事務所・三浦氏、さすがです。

 
 

 
 




  
露天風呂の壁は土壁が塗られアニメの世界です。

 

この下地に週末の二日間でたくさんのボランティアの方が参加くださり土で荒壁つけを
行いました。

 

作業風景の写真がありませんが、お疲れさまでした。
乾燥を待って、仕上げの作業になります。


 
 
肌寒い日でしたが、来週の建て方にむけて、作業場では体から湯気を出しながら鉋かけです。

 

柱や梁のほかにも木が見える部分が非常に多い、住まい手さんにとっては安らぎの木の住まいですが、こちらは筋肉痛で体がバキバキになる木の住まいです。

国産の木材としては杉材を使用する例が非常に多いのですが、桧や松と違い柔らかさゆえに
刃物の切れがすぐに止まり、鉋で仕上げるにはなかなか厄介な樹種です。
よって、機械で仕上げて終わりにしたり、ペーパー掛けで仕上げたりが多いようです。


 

最高に切れる鉋で仕上げた木目はトロッと色気があります。

 

ペーパーだとツルツルにはなるが木の目が曇ってぼやけてしまいます。
手間暇かかりますが、木の住まいを選択し、永い年月を過ごすことを考えれば、その作業時間は一瞬のような気がします。

 

作業後はプロテインを飲むと更に効果的です。
 

 
 

 


 

 
 




 







数多い、左官の仕上方法の中で最も高度な技法としてあげられるのが黒漆喰の磨き。
最近、モルタルに黒の顔料をまぜて黒磨きといってるのもありますがそういうのと次元がちがいます。

土蔵の現場ではいよいよ、黒磨きの段階です。

 

まずは仕上げ面である中塗りの土からはみ出している藁スサをバーナーで焼いていきます。
メイク前の無駄毛処理のイメージです。


 
 
漆喰をつけて、面をとり、この段階でしっかり押さえていきます。
水の引き塩梅がありますので数人で手際よくいきます。

 

面の部分は白で残しますので面はここで磨きます。

 
 
 しっかり押さえたのち手ぬぐいで雲母粉をふり手で磨きます。

 
 
漆喰が生乾きの状態で黒ノロをつけて、がっちり押さえていきます。
フレスコ画の要領に似てます。

 

そして手で磨いていきます。次第に景色が映りこむほどに光ってくるのが分かります。

 
 
この作業は塗継ぎができない為、何段にも重なる鉢巻きの片面、一本ずつ仕上げていきます。

 
 
面白の交差する繊細な部分はさらに腕の見せ所です。

 

100年近くたっても光っているものもあれば、数年で曇るもの、最初から曇ってるもの、
正しい黒磨きの技法は確立されてないそうです。
先人は光続ける黒の壁を追求し、さまざまな配合を試みたのだと思います。
当時から手にはいるもの。自然の素材、食べ物、それらを配合してるのは
間違いないことです。