自分が旅行に行くとか、用事で、東京在住の人が大阪に行くとか言うことは、本当にその人の人間性を理解している場合以外、むやみに話すべきではない。私は、勤めている運送会社で、会社で同じ班にいるいつ死ぬのかしれないほど、頻繁に体調が悪いとか自分の会社の仕事があるとかでずる休みをしていた人に何の警戒心もなく、石垣島に旅行に行くことをみんなの前で話してしまった。何とその68歳の婆、「あ、みりん買ってきて」というのだ。俺は、本当に買ってこないと行けないのか少し悩んだが、ホテルで売っていたので、そこにあるのを300円で買って、その死に損ないの婆に渡した。そしたら、「ありがとう」も言わずに、立ち去っていった。何なんだこいつはと思い、何だかこいつおかしいなと思っていると、そいつが、うちの会社が、定年制度を作り、2万人の65歳以上の役立たずを首にしたとき、そいつも一緒に首になった。俺は、気分が良かった。婆は、正直うるさいだけだった。そいつは、その数年後、脳梗塞になり、脳を手術し、次に会社のそばでたまたま会ったら、病後のへんてこな小さな頭と首になっていた。

 

 二人目の犯人は、近所の高い文房具屋の店長で、俺がちょうしをこいて、日産の絵本コンテストで優秀賞を獲り、今度大阪に行き、賞金20万円を貰うとそいつに話した。そしたら、そのドブスが、いくらか貰いたいなあというではないか。そいつは、俺に悪口ばかりいってくる奴で、なんでそんな奴に大事な金を渡さないと行けないんだと思った。そして、そいつが、その後、仰天の一言を吐いた。何と俺が表彰式に出るために大阪に行ったときに、お土産を買ってきてくれというのだ。しょうがないから400円ぐらいの地方の駄菓子を買ってきて渡したが、本当は、その駄菓子、俺が食いたいくらいだった。自分が食べる土産を買えずに、そいつの分を買わされる羽目になり大迷惑だった。もう、俺は、この店に永遠に行く気はない。

 

 誠実な人以外、少し行動がおかしいとか悪口を言う人には、出かけたり旅行に行く話は、絶対にしないことをお勧めする。