蘭の話 その1-3
この場所は大下先輩に入学したてに教えてもらった。
教師も来なければ、地域住民もほとんど来ない。
一服には最適の場所だ。
『ほんとに信用できるやつしか連れて来ない』
大下先輩と約束した。
なのになんで教えちまったのかな。
さっき体育の授業の終了を知らせる鐘が鳴った。
俺の勘が合っていれば、そろそろ来る。少し息を切らせて。
「ちょっと!」
やっぱりきた。
「部活ならいかねーぞー」
朝も喧嘩したばかりだ。
もう喧嘩なんかしたくない。
でも…
「それじゃ困るんだって…」
いおなのその言葉に反応し、ついまた、声を荒げてしまう。
いおなが誰のために焦ってるのかなんて、鈍感な鈴木でもすぐ分かる。
3年の瀬波だ。
いおなは大事な瀬波のために、こんなとこまで来て俺に小言を言ってるんだ。
俺の気持ちなんておかまいなしに。
瀬波は、容姿端麗で女に人気がある。なのにちっとも見向きもせず、この3年間彼女もいなければ、浮いた話もない。それに、毎日部活に励んでいるにも関わらず、頭も抜群にいい。常に学年5番以内に入っている。有栖川のキャプテンになる奴だ。いうまでもなく、男からの人望も厚い。
それだけならば、俺だってきっと…瀬波を慕っていたはずだ。
いおなの幼なじみじゃなけりゃな。
そんな嫉妬丸出しの俺に、いおなは全く気がついてない。
そんないおなの様子が、俺のイライラを助長させる。
いおなの俯く姿を見て、ハッと我に返る。
…言い過ぎたかな。
「いおながやらせてくれたら、今日部活いってやってもいいぜ」
「ばっっっかじゃないの

」
頭でヤカンが湧きそうな勢いでイカって帰って行った。
「あんなに怒って…処女なのかな?」
落ちてる小石に話しかけた。
教師も来なければ、地域住民もほとんど来ない。
一服には最適の場所だ。
『ほんとに信用できるやつしか連れて来ない』
大下先輩と約束した。
なのになんで教えちまったのかな。
さっき体育の授業の終了を知らせる鐘が鳴った。
俺の勘が合っていれば、そろそろ来る。少し息を切らせて。
「ちょっと!」
やっぱりきた。
「部活ならいかねーぞー」
朝も喧嘩したばかりだ。
もう喧嘩なんかしたくない。
でも…
「それじゃ困るんだって…」
いおなのその言葉に反応し、ついまた、声を荒げてしまう。
いおなが誰のために焦ってるのかなんて、鈍感な鈴木でもすぐ分かる。
3年の瀬波だ。
いおなは大事な瀬波のために、こんなとこまで来て俺に小言を言ってるんだ。
俺の気持ちなんておかまいなしに。
瀬波は、容姿端麗で女に人気がある。なのにちっとも見向きもせず、この3年間彼女もいなければ、浮いた話もない。それに、毎日部活に励んでいるにも関わらず、頭も抜群にいい。常に学年5番以内に入っている。有栖川のキャプテンになる奴だ。いうまでもなく、男からの人望も厚い。
それだけならば、俺だってきっと…瀬波を慕っていたはずだ。
いおなの幼なじみじゃなけりゃな。
そんな嫉妬丸出しの俺に、いおなは全く気がついてない。
そんないおなの様子が、俺のイライラを助長させる。
いおなの俯く姿を見て、ハッと我に返る。
…言い過ぎたかな。
「いおながやらせてくれたら、今日部活いってやってもいいぜ」
「ばっっっかじゃないの


」頭でヤカンが湧きそうな勢いでイカって帰って行った。
「あんなに怒って…処女なのかな?」
落ちてる小石に話しかけた。
蘭の話 その1-2
「でも言っとくけど、確かに『泣かせた』けど『騙した』ことはないんだぜ!?」
木村に必死に弁解する。別に木村に弁解する必要も意味もないことは分かってたが、せずにはいられなかった。
「でも向こうからしたら、心に自分より大事に思ってる女がいながら自分と付き合ってるってわかれば、やっぱり騙されたことになるんじゃね?」
俺はたまに木村はエスパーなんじゃないかと思うことがある。
『俺もっと自由にバスケがしたい』という言葉を残し、今年3月にバスケ部を退部した。
その時の有栖川バスケ部は、宮下先生の元、みんな生き生きと、部員が主体のバスケをしていた。もちろん、木村も毎日楽しそうに部活に来ていた。だから、俺をはじめとしたみんなが、木村の言葉を理解できなかった。
小学生のころからずっと一緒にやってきた木村と離れてプレイするなんて考えられず、俺は必死に木村を説得した。
が、木村は考えを曲げなかった。それどころか『絶対に息苦しくなるから』と、俺にまで同じ理由で退部を進めてきた。
しかし、やはり木村の言葉が理解出来なかった俺は、バスケ部に残った。
その1ヶ月後、上本が赴任してきた。バスケ部は規則だらけとなり、木村の言うように、バスケ部は『息苦しい』場所になった。そして鈴木はあっけなく退部していった。
「お、俺の心の大事な女って、だ、誰だよ」
自分でも焦っているのがわかった。案の定、木村から返ってきたのは
「そんだけ焦るなら、自分でわかってんだろ。早く認めろよ」
という言葉だった。
俺がぐうの音も出せずにいると「えっ!蘭、誰か好きな奴いんの!?かよちゃんじゃなくて!!?」と空気の読めない鈴木がでかい声で叫んだ。
うるさいやつだが、悪い奴ではない。
キーンコーンカーンコーン。
次の授業は体育だ。
行く気がしない。
質問を無視しつづける俺の肩を「なぁなぁ」といいながら揺さぶる鈴木の脇を木村が抱えてひっぱった。
二人に背を向けながら
「おれ次パス」
と手を挙げる。
「はいよ」
と、「なぁだれか教えろよ」とまだ騒ぐ鈴木の腕を強引にひっぱりながら、木村が返事をした。
木村に必死に弁解する。別に木村に弁解する必要も意味もないことは分かってたが、せずにはいられなかった。
「でも向こうからしたら、心に自分より大事に思ってる女がいながら自分と付き合ってるってわかれば、やっぱり騙されたことになるんじゃね?」
俺はたまに木村はエスパーなんじゃないかと思うことがある。
『俺もっと自由にバスケがしたい』という言葉を残し、今年3月にバスケ部を退部した。
その時の有栖川バスケ部は、宮下先生の元、みんな生き生きと、部員が主体のバスケをしていた。もちろん、木村も毎日楽しそうに部活に来ていた。だから、俺をはじめとしたみんなが、木村の言葉を理解できなかった。
小学生のころからずっと一緒にやってきた木村と離れてプレイするなんて考えられず、俺は必死に木村を説得した。
が、木村は考えを曲げなかった。それどころか『絶対に息苦しくなるから』と、俺にまで同じ理由で退部を進めてきた。
しかし、やはり木村の言葉が理解出来なかった俺は、バスケ部に残った。
その1ヶ月後、上本が赴任してきた。バスケ部は規則だらけとなり、木村の言うように、バスケ部は『息苦しい』場所になった。そして鈴木はあっけなく退部していった。
「お、俺の心の大事な女って、だ、誰だよ」
自分でも焦っているのがわかった。案の定、木村から返ってきたのは
「そんだけ焦るなら、自分でわかってんだろ。早く認めろよ」
という言葉だった。
俺がぐうの音も出せずにいると「えっ!蘭、誰か好きな奴いんの!?かよちゃんじゃなくて!!?」と空気の読めない鈴木がでかい声で叫んだ。
うるさいやつだが、悪い奴ではない。
キーンコーンカーンコーン。
次の授業は体育だ。
行く気がしない。
質問を無視しつづける俺の肩を「なぁなぁ」といいながら揺さぶる鈴木の脇を木村が抱えてひっぱった。
二人に背を向けながら
「おれ次パス」
と手を挙げる。
「はいよ」
と、「なぁだれか教えろよ」とまだ騒ぐ鈴木の腕を強引にひっぱりながら、木村が返事をした。

