3月の終わり頃アイ子は小学校を卒業した、
席取りしておいてと妻に言われ早めに行ったら一番だった。
恥ずかしいから君たちも早く来るように伝えたら
ゆっくりやって来た。
席と言っても横だったり縦だったり、アイ子がどこに座るか
で違うわけだが、6年生がクルッと振り返ると、ビンゴビンゴ
真正面にアイ子がいた。
無事にツアーが終了することが一番だ、と言うが、
6年間もの長い月日が無事に終わることを心から
学校に先生に感謝する。
アイ子の号泣を撮りたかったのに、泣く子のいないそんな
卒業式だった。
アイ子が言った、私アニオタなの、と。
だから池袋にあるアニメオタクの聖地アニメイトに行きたいと、
アニメイト、と言う所に行った後は、近くのデパートで
なんとかのグッズを見たいと言う、
オタクの新入生はやけに熱心なので
オネエに着いて行けなくなったキコと、どこでもドアを開けて
ヒマをつぶす。
池袋にもデパートの谷間に公園があって、桜だよな、
が咲いていた。
もう一度アニメイトに行きたいの、とアイ子が言う。
キミはもう立派なオタクだ、
少し前に友達と自転車で12㌔離れた熊谷のアニメイトに
自転車で行ったと言う、そことは比較できない程の大きさに
目が輝いていた。
東京のやたらと高いシュークリームを食べたアイ子は
お腹も全然空かないという、
パパとキコは50mくらい歩いた所でラーメン屋を見つけ、
そこで昼ご飯を食べた。
日が傾いた夕方、アイ子は満足な様子でアニメイトを
後に。
お腹すいてるだろう、と聞いたら
スタバに行きたいという、
そこでやけに高いナントカかんとかフラッペつーの
と言うのを注文していた。
都会のスタバは混んでいる、ビルの谷間の駐車場で
アイ子は美味しそうに飲んでいた。
今日は今日まで無事でいてくれた
アイ子さまの日だった。