11月23日、マテーラ。
ナポリから251㌔内陸を進み、
人口6万人のバジリカータ州マテーラ、
ゴーストタウンにして世界遺産、人々は洞窟に暮らし
その暮らしぶりの貧しさはイタリアの恥とされ、
1960年までに住民は強制的に地上のアパートメントに
強制移住させられた。
なんて聞くといったいどんな恐ろしい、おどろおどろした
町なのか気になるが、立派な文化都市である。
この町並みを見てもどこにそれがあるのかは、わからないが
これが洞窟住居群、間取りの大半がすり鉢状の山の斜面の中
だが、言われなければわからない。
サッソカヴェオーソ地区、12~17世紀。
遠くに背の高い鐘楼を持つ洞窟でない12世紀の大聖堂が建つ、
その向こうに12世紀以前のより洞窟らしい家並みがある、
こちらがその地区、サッソ(石の)バリサーノ地区、
カッパドキアを追われた隠修士たちが故郷と同じような
深い渓谷の斜面に横穴の礼拝堂を掘り祈りを始める、
トルコ同様乾燥した暑い夏、寒い冬を暮らすこの地の農民に
岩山の中の暮らしは合理的で、
あっという間に横穴式住居で斜面は埋まった、
羊と共の生活は、
17世紀タペストリーの時代には農民に大きな富をもたらし
地上にも立派な文化建築が建ち並ぶ。
丘陵の底での豊かな暮らしは
それまで多くの人も目に触れることはなかったが、
戦中戦後の誰もが貧しい時代に、都会の作家によって
洞窟での生活が報告され、都会しか知らないローマの政府
は恥と見なし、ゴーストタウンとなった。
11世紀にはここを訪れたアラブ人は驚嘆すべき完成された
町並みであると言っているが、まさにそうである。
もう暗くなってしまったが、
この岩肌とどうかした住居群は、数年前のパッションと
いう映画が撮影された場所。
監督メル・ギブソンは2000年前のキリスト最後の3日間を
撮るためロケ地を探すも、時のエルサレムには面影はなく、
ハリウッドでセットを組むのもイマイチで、
そうマテーラにそれを感じたらしい。
しかしもう真っ暗なサッシ地区
17世紀以降の地上はピンぼけだがクリスマスの賑わいが
始まっていた。
一路アルベロベッロへ、満月の夜道をゆく。














