リマ発クスコ行きは午前中に集中する。短いときは十五分間隔でも飛ぶ。
僕の住んでる町から都内に行く、○○線より出てる。
アンデスは雨期、11月から5月ごろまで雨が多く、それ以外は乾期、すっかり雲
がなく雨が降らない。
雨期の心配事、まずこのフライトが遅れる、時に出ない。
飛行機の欠航は天気が原因だけではないが、何かの都合で予約便が欠航になっても
世界のマチュピチュ、特に団体だとその日のうちに空き席のある他のフライトがなかなかない。
降り立つクスコは3600mの盆地に開かれた旧インカの都。
5000m級の山々が周りを囲み、滑走路はその盆地の中央に走る。
パイロットは離陸時、有視界飛行に切り替え、周囲の山肌をかすめるように旋回しながら
高度を下げていく(窓側に座っていたら感動の景観)、
その盆地上空の空模様により雨期の飛行機はよく乱れる。
無事、クスコに着くと次はマチュピチュへの列車、すり鉢の底にあるクスコ盆地、そのすり鉢を
スイッチバックしながら上る列車は、それだけで時間がかかるので近年車で入っていける最深部
オリャンタイタンボ町までバスで行く、4000mの峠を越えて2800mまで一気に下ると聖なる谷と呼ばれる
ウルバンバ川に沿った開けた谷間の道に出る。
聖なる谷、トウモロコシ畑、インカの平和の裏にはまず貨幣が存在しなかった。
季節の応じて農耕をし、公共j事業をし、労働の対価は衣食住に必要なものであり、
神聖な処女の巫女が作るチチャというトウモロコシの発酵酒だった。聖なる谷では
今も世界に輸出するほどの畑があり、昔の処女が作り続けるチチャが各家庭で
作られている。どの家も造り酒屋になり、それができると竹竿に赤いビニールが巻かれ
「チチャ、始めました」、の目印になる。
ウルバンバの開けた谷、渓谷は進むほどに両側の山肌が、谷底を流れるウルバンバ川に
迫って来、オリャンタイタンボより先でほぼ平坦な土地は終わる。よって車道は終わる。
マチュピチュへは列車か徒歩。
この列車も世界のマチュピチュ、予約制プレミアムチケット。大抵は満席で乗り遅れたりすると
団体では他になかなか空き席がなく問題になる、お客様にマチュピチュまで三日間歩いて頂く
ことはできないし。
鉄道は両左右切り立った岩壁に沿ってひかれ、すぐ横をマチュピチュ、アマゾン、大西洋へ抜ける
ウルバンバ川に沿ってひかれている。この線路もまた雨期の間、山崩れにより、または川の増水に
より流される。そうなると復旧まで歩く以外いけないという問題が含まれる。
三か月いけない大きな被害だったり、日本人がマチュピチュに取り残されています、と言うような時は
日本でニュースになるが小さなものは雨期の間は一度ぐらいはあるもので、日本からの長旅の末
そして世界のマチュピチュを前に断念するケースもある。
とにかく我々グループには限られた時間しかなく一つの躓きによりあきらめざるえないことは多い、
そういうリスクを考えると乾期がいいとなる。
マチュピチュに着くと村から400m上空の山の上まで村唯一の車、専用乗り合いバスが遺跡入り口まで
連れて行ってくれる。バスはいろは坂を繰り返しターンしながら入口まで20分登る。
昨年このいろは坂が土砂崩れで埋もれた。世界のマチュピチュ、ペルーの宝。この時は軍が出動し
二日後には復旧したが一年以上たった今でもその跡がはっきり見える。となるとやはり乾期が良い。
マチュピチュの観光時間は三時間がいいところ、行きも決まっていれば帰りの列車も決まっている。
雨期とはいえ一日中降る雨は珍しい、
それこそインカが自然界に見出した神々、雲が空を覆い、稲妻がさし、雨が降って、太陽の神が差し
虹が出る。そのサイクルが短い間で繰り返される、それが雨期だが、
限られた三時間の間がちょうど雲が多い雨だったら、、、と思うとやはり乾期が良い。
添乗員森田は、そういうリスク、問題の事例を知っているからか、マチュピチュでの感動は雨期にみる。
前夜村に入り、今回初めて止まるホテルマベイはウルバンバ川ビュー。
各部屋バルコニーが川に突き出ていて戸を開け川の音を聞きながら過ごす夜の風情を思うと
癒されるつくり。
僕もそのイメージで戸を開けると雨期も末、川はラフティングをしたら命が危険なほどの激流で、
その音たるやイグアスの滝の滝つぼで聞いたものと同じ、すぐに戸を閉めた。
ただ意外と良い睡眠がとれたのは一定の自然のリズムなのからか、大音量だけどテレビの砂嵐
と一緒、よく寝れた。お客様が心配だったがやはり寝れたと言う方が多かった。
気づかないほどの川の音の中夜中はかなり強い雨が降った。朝方雨はやみ僕らの観光時間の
午前中に期待が出るが朝食時また雨が降り始めた。出発時には上がったがバスで
いろは坂を登っていく際に確認できる、遺跡とその背後のワイナピチュの山はすっぽり雲の中だった。
雲の中ゆっくり準備をして遺跡内へ、雨上がりの空気は実に気持ちがいい。
撮影場所の見張り小屋に着いたとき、薄くなり行く雲の中にうっすらとワイナピチュ山。
雲は流れ一時間後全てが姿を現したときの感動はたまらない、お客様の期待の中僕は涙が
出そうな程感動した。
プロのカメラマンは雨期に来ると言う、一連の雨期の空のサイクルの中のみずみずしいマチュピチュ
を(一週間?)かけ撮りに来る。
世界のマチュピチュへ行きたいというお声はいたるところで耳にする。
添乗員さん、いつ行ったらいいですか?と。
僕は乾期を進める。心配なくマチュピチュに行け、そしてあの有名な写真が撮れるから。
ただし、マチュピチュに2泊する企画ならば、その時だけは雨期を進める。
2泊することで一日中いれば、必ずいい山が姿を現してくれるはずだから。
そしてこの時期アンデスは(意味は征服者スペイン人も感動したスペイン語の段々畑)、マチュピチュ
クスコ間の約3000m台の山々に、インカ時代病気に備え品種改良が行われた3000種を超える
ジャガイモの色々な花が咲いて桃源郷の世界になる。

(この後青空の中の絵が出ました、が、撮ったのはこの一枚だけ、手にカメラがなじんでいない)
今回、素晴らしい雨期のひと時を過ごせた。
今回の旅が雨期なのは、もう一つのハイライトウユニ塩湖の雨期しか見られない水鏡に
合わせたツアーだから。
明日からの6日間は高山症の心配も出てくる高地の旅です。
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