ああそうか
簡単なことだった
冷たい床のキッチンで
水を飲みながら思った
たったひとこと
わずかたったひとことで
30年近くのしかかっていたものが
ふわっと
霧散していった

ここに辿り着くまでに
30年という人生の2/3を費やし
どうしようもない想いや
叶えられない想いが
見事に昇華していった

ひと夏の
たった一夜の
ほんの7~8時間のできごとが
ここまで僕を縛りつけてきた

それでも
素敵だった
そう思えるだけ良い
無様で不器用で
情けないほど惨めな人生だとは思わない
素敵は素敵
そう言える

誇らしささえ感じる

心が自由になるということ
本当の意味での解放

僕が僕をそうさせていたのかも知れない
彼女に非は無い
僕が勝手に思い込んでいただけなんだ

ありがとうと
さよならを
貴女へ・・・