「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例
」の「パートナーシップ証明」,今年10月頃の施行を目指しているとの話だったが,どうなったのだろう。現在すでに9月下旬だが,具体的な話は聞こえてこない。
この条例,パートナーシップ証明ばかり注目されがちだが,よく読むとセクマイ的注目ポイントはほかにもいろいろある。
私が一番気になっているのは,以前も書いた
けれど「性的少数者」の定義が「同性愛者,両性愛者及び無性愛者である者並びに性同一性障害を含め性別違和がある者」(いわゆる“LGBTA”)のみと非常に狭いこと。
それと,それだけ狭い定義の中に加えられているにもかかわらず,無性愛者にオトクな内容が特にないうえ,報道などでも無性愛者が徹底的に無視されていることだ。
たとえば,長谷部健渋谷区長が登場するこちらの記事でも,出てくる言葉は“LGBT”ばかり。
Aはどこへ行った。尊重するとか言って全然尊重されてないじゃないか。
「LGBTも,障がい者も,普通の景色にしたい」長谷部健・新区長が語る,新しい渋谷区(ハフィントンポスト日本版)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/18/lgbt-hasebe-ken_n_7303354.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
「性的少数者」の定義を「同性愛者,両性愛者及び無性愛者である者並びに性同一性障害を含め性別違和がある者をいう。」としたからには,“LGBT”の語を用いては不適当だと思う。
無性愛者も尊重するなら“LGBTA”とするべきなんじゃないか?
無視するくらいならなぜ入れたんだ?
ほかにも,渋谷区がアナウンスする情報は,「無性愛者の尊重」とは逆行したものがやたら目につく。
たとえば,「性的少数者を尊重」するための施策として同性カップルが区営住宅を借りられるようにするそうだけれど,しかし一方で,単身者は基本区営住宅を借りられない。
無性愛者も尊重すると言いながら,結婚しなきゃ入れてやらないということなんだろうか。悲しくなる。
以前も取り上げた
けれど,性交渉に「関心がない」または「嫌悪している」が男性17.9%,女性45.2%に上ったという2014年9月の調査結果もある。
Aセクシュアルやノンセクシュアルは,ものすごく少ないふうに言われがちだけれど,実際にはかなり多いのかもしれない。
渋谷区がどんな考えで条例に「無性愛者を尊重」と盛り込んだのかは分からない。
でも,どんな考えであったにせよ,盛り込んだからにはそのような実態も含めてきちんと精査し,施策としてキッチリ尊重してもらわなくては困る。それが責任というものだ。
恋愛も結婚も強要されず,独り者が安心して暮らして年を取って死んでいける街だったら,私も住みたい。
(ちなみに,性交渉に「関心がない」または「嫌悪している」男性17.9%女性45.2%の人たちを素直に尊重した場合,単純に考えてノンケ男が大量に余ることになるわけですが,渋谷区的にそのへんのフォローとかどう考えてるんでしょうね。)
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自覚なきノンケセクマイ
http://ameblo.jp/iodostarch-reaction/entry-11979656148.html
※この記事はTwitterに投稿した文章(↓の一連のツイート)をまとめ直したものです。