「それは詳しくは言えません。しかし、一ヶ月待つことは可能ですか?」とヘレナ。

ヨシュアは船のコンピュータに確認した。「酸素と水はどのくらい持つ?」

 

「酸素変換器は問題ありません。およそ二ヶ月は酸素を供給できます。水も同じくおよそ二ヶ月です。」とコンピュータ。

 

「後二ヶ月は待てます。」とヨシュアは答えた。「それでは軌道上でアルテミス様をお待ち下さい。お帰りになられたら、あなたの事をお伝えします。他に伝えたい事は、ありますか?」とヘレナ。

「いや・・特にないです・・」とヨシュアは言った。「わかりました。ではお元気で。」とヘレナ。そしてチャンク号を離れてゆく。

 

「お元気で・・だって。あのロボットもアルテミスの武器のなのかな?」とヤマダは言った。

「そうなんだろう。スゲエのを作ったな・・。あれじゃあ合衆国軍も勝てない訳だ。」ヨシュアは言った。

早速、ヨシュア達の事はヘレナからアルテミス達に伝えられた。数時間後、木星にいるテティスに通信が届いた。

 

「アルテミス、ヨシュア・バル・ヨセフという方をご存知ですか?数時間前、地球軌道にやってきたそうです。ヘレナからの映像をご覧になりますか?」とオリオンは言った。

「ヨシュア・・・知らないわ。誰かしら?」アルテミスは言った。「彼は、あなたに助けられたと言っています。」とオリオン。

 

ホログラムには、ヘレナとの通信の画像が流れた。そこに映る少年はあの時、アルテミスが月と地球の距離を超えて警告を伝えた少年だった。