「敵艦と思われる物体に変化ありません。」テティスは全く影響を受けていないかのように木星艦隊に近づいてくる。

「第二弾を発射しろ!」と司令官。既に焦りが見える。第二弾が発射されたが同じようにシールドに反射された。そして今回は悪いことに反射した粒子の束は、駐留する木星艦隊の数隻を破壊した。「何をしている!マヌケが!」怒鳴るジョルジョ司令官。

 

そうしている間もテティスは接近していた。しかし速度を落とさない。そして木星艦隊のから数千キロ離れた空域を通り過ぎ、シールドを解除したテティスは粒子砲の後ろからレーザーを発射した。

 

遠ざかりつつも、6本のレーザーは荷電粒子砲を焼き払ってゆく。「高出力粒子砲。全滅。粒子砲を備えていない戦艦のみ確認。」淡々としたオリオンの声。

「これで近づけるわね。」とアルテミス。

「この位の距離なら十分リアルタイム通信ができるよ、ここからまず様子を見よう。」とハッデンは言った。彼は警戒しているのだ。テティスの装甲でも、直撃を受ければただでは済まないだろう。

 

木星艦隊司令官の前に映し出されるアルテミス「あなた達の頼みの綱の粒子砲は、もうないわ。降伏するのなら、これ以上攻撃はしない。でも降伏しないのなら、焼き払うのみ。どうしますか?」とアルテミスは言った。

 

司令官はしばらく黙っていた。あら?ダメなのかしら?アルテミスは思った。司令官のいる要塞を破壊すれば兵士たちの気持ちも変わるだろう、そんなことを考えていると、