中央公園の桜🌸


スカイツリーと桜🌸



この場には多くの人が居て五月蝿いのに、その猫はただ眠っているだけ。猫の体温が下がってきている事を察した蚤が体から逃げ出し、ダンボールの内側にひっついている。よほど具合が悪いのだ。

 

「そんな事は無いわ。可哀想に・・・触ってもいい?」アルテミスは言った。そっと触って、透視するアルテミス。蚤は彼女の手に飛びついたが、瞬時に殺されてしまった。

 

(これは・・ウィルス?・・)余りに小さすぎて、よく見えないが、その画像をアルテミスはオリオンに送った。

(血液検査をしてみないとハッキリと分かりませんが、多分、変異したパルボウィルスでしょう。猫用のワクチンは確認できる限りありません。)とオリオン。彼は今、地球や月にある動物病院や大学病院をハッキングしてワクチンの所在を探っている。しかし変異したウィルスにあったワクチンで、まして猫用では望みは薄い。

(ナノロボットによる治療も可能かもしれませんが、ロボットの調整に時間がかかります。この子に、恐らくその時間はないでしょう。)とオリオン。

(多分そうね。いいわ。私がやってみる。)とアルテミスは言った。彼女は猫の自然治癒力を最大限まで引き上げるべく力を注いだ。うっすらと光るアルテミスと猫。同時にウィルスそのものも攻撃した。光が徐々に強くなってく。数分経った頃、猫が目を覚ました。

知らない場にいるからだろう、怖がって逃げようとする猫。しかし足元はふらついていてまともに立つこともできない。倒れてはまた立ち上がろうとしている。アルテミスはそっと猫を眠らせた。

「多分大丈夫よ。ウィルスは駆除できたわ。この子お腹が空いているし、脱水を起こしてる。診療所に行きなさい。すぐ点滴をしてあげる。」そう言うとアルテミスは瞬間移動して消えた。

「さあ、どうぞこちらへ。治療ロボットは、調整すれば猫も治療できます。」オリオンは言った。