「かしこまりました。アルテミス様、彼らを解雇いたします。」オリオンが答えた。議事堂には5体のオリオン端末がいた。それぞれが見た画像が全太陽系に放送されている。

 

「待ってください!いきなり何ですか!あなたにそんな権利はない!」サボリの一人が口を滑らせた。

「やはり勘違いしてますね。人間とは・・私のことを侮っているのは知っています。それが通用するかしないか、判断さえできないのですか?」とアルテミス言った。彼女はそのまま浮かび、その言葉を発した男の元に進んだ。男は少し後ずさりしたが、何者かが、足を掴んだかの様に動きを止めた。動かなくなった足を見たり、アルテミスを見たりする男。

彼の目の前で止まるアルテミス。

 

「この決定をする権利?私にあるか・・?そうね。あるのよ。あなたはクビよ。」とアルテミスが言うと男は床から数センチ浮き上がり、滑るように議事堂の外に飛ばされた。倒れる男など知らない、と言わんばかりに閉まる扉。

 

「さっき言った事に変更はありません。あなた方が自分から豊かさを捨てたのです。私はそんなに多くを奪わなかった。確かに給料は下げたけど、あなた方は貰い過ぎだったのよ?変更後の給料だって十分に富裕層と呼べる額だった。しかしそれすら失った。原因は私を侮った事、そしてオリオンを侮った事。名前を呼ばれなかった方は、このまま仕事を続けてください。そして、分かりが悪いみたいだからもう一度言います。名前を呼ばれた者はクビよ。ここから出て行きなさい。」そういうとアルテミスは瞬間移動して議事堂から消えた。

そこに武装したオリオン端末が入ってきた。中央部に行くと呆然とする彼らに武器を向けた。