「お前それは・・何となく彼女じゃないかなってだけで・・」ヨシュアは何故か少し照れている。

「お前、嘘も、もう少し上手くつけ。そんな頭の悪いことじゃここで商売はできないぞ。とにかく仕事をしろ。全部ロボットがしてくれるわけじゃないんだ。」そう言うとアップワードは出て行った。

 

「あーあ全然信じねえよ。でもさ、ストルムグレンから逃げるのに、地球へ行くのも良いんじゃねえの?おじさんだってストルムグレンにバレたら、戦ってまで俺達を助ける訳には行かねえだろう?」とヤマダ。彼も、このまま匿われ続ければ迷惑を掛けてしまうことを危惧していたのだ。

 

「そうだなあ。バレるのも時間の問題かも知んねえし。でも地球かあ・・かったりーなあ・・遠いじゃん。」とヨシュア。

「お前、ストルムグレンが、えげつないの知ってんだろう?あいつ最低の奴だぜ?おじさんのこと考えろよ、ちっとは。」とヤマダは言った。

「お前からそんな言葉を聞くとはな・・・変わったもんだ。」とヨシュアは言った。

 

      サボり

 

「アルテミス。官僚たちの動きが不穏です。推測ですが、弱いサボタージュをしているようです。」とオリオンは言った。例の、大富豪の財産半分を太陽系全市民に配分する計画だが、官僚たちは、口では媚びへつらいながら仕事が奇妙に遅いのだ。各部署にはオリオンの端末が派遣されているが、何分にも紳士的なので舐められてしまっていた。

 

「サボっているのは誰?」とアルテミス。