合衆国大統領の顔は憎悪そのもの。自分より上にあんな小娘がつくというのだ。許せるわけがない。
「我々は絶対に負けない。繰り返すが、お前には支配されない。」大統領は言った。
アルテミスは表情を変えない。そして
「他の方々はいかがかしら?その豪華な執務室にいるあなた達は、彼に従うの?それなら一緒に滅びることになる・・1時間猶予をあげるわ。もし逃げたいのなら一時間以内にできるだけ遠くへお逃げなさい。一時間後にそのビルを攻撃する。」ただ冷たく彼女は言い、そして通信を切った。
互いに顔を見合わせる合衆国の高官たち。一人がそっと去ると、後に続いて皆逃げ出した。
「彼らはどうするだろうか?そういえばアルテミス。あの建物ごと吹き飛ばすのかい?」とハッデン。
「そうね。いえ・・殺すのは大統領だけにしようかしら?・・オリオン、大統領官邸上空100メートルで静止して。」とアルテミス。
「了解しました。大統領官邸上空100メートルの位置に静止します。」オリオンは言った。
上空に留まる巨大な船。そこからアルテミスは大統領執務室に瞬間移動した。大統領の居る場所だ。建物からは我先に人間たちが逃げ出している。エレベーターは満員。エレベーターを待ちきれない人が階段を駆け下りていた。
ほうけたように佇む大統領。この建物から皆こぞって逃げ出している!大統領の私をおきざりにして!