日向ぼっこ^_^


実は彼女、近くにある幾つかの船を透視し、尚且つ、数人の心も読んでいた。皆恐れて諦めていた。この軍隊はどうなっているのだろう?忠誠心を持つものなどいないのだ。ダラダラとしたお役所軍隊。

 

「まあ興味深いわ・・ハッデンさん・・何人かの心を読んでみたの。そしたら自分が助かる事だけよ。心を読んだ数人に限られるけど、今の所、命懸けで戦おうなんて人はいないわ。当たり前かもしれないけれど」アルテミスは言った。

「そうだね。そんなものだろう。職業なのさ、軍人だって。」元々地球合衆国の腐敗は極まっていたんだよ。政治家も官僚も自分の富を増やす為の、いいシステムを見つけた、そんな風にしか考えてはいなかった。」ハッデンは言った。

 

地球合衆国も火星共和国もそんな者しか上層部にはいなかった。不思議なことに、そんな支配者の下では、格差は固定し貧富の差は広がっていくばかりだった。もちろん、そんな指導者も国民の中から出てきたのだけれども。

 

「それぞれの艦長の答えを聞きたいわ。ハッキリと言葉で。その沈黙は、私に従うという解釈でいいのね?」それぞれの艦橋のホログラムに映し出されるアルテミス。各艦の艦長は誰も言葉を発しない。

「答えてもらえないかしら?でなければ従わないとみなして、攻撃するけれど、いいのかしら?」各艦の艦長はモゴモゴしていた。中には副艦長に促され、渋々ではあるが小さな声で、「従います。」

それぞれ言い方に多少の違いはあっても各艦長たちは言った。

 

「分かったわ。あなたたちの忠誠を受け入れます。」アルテミスはそう言うと通信を切った。」