まだ目を失う前、、のほほんとしてたなぁ、僕。

 

 

「アルテミス。どうする?彼らを。」とハッデン。「どうするって、一応は仲間に引き入れようとしてみるわ。」アルテミスは言った。「あのとぼけたチョプラ艦長のようには、今度は上手く行かないかもしれないよ?」ハッデンは言った。

 

「試してみるわ。もしダメなら殺してしまうから・・・。」アルテミスは言った。彼女は人間の命など、なんとも思ってはいないらしい。あんな力を持ってしまっては当然か・・

 

もはや人間以上の存在になってしまったのだから。こうしている間にも合衆国軍に戦艦テティスは猛スピードで近づいている。

「正体不明の船が更に加速しました。」オペレーターは言った。

 

     人種差別主義者ヤマグチ艦長

 

合衆国軍の援軍を率いているヤマグチ司令官は、地球生まれで火星人差別主義者だ。

奴らは二等の人間なのだ、が彼の口癖。

 

「戦艦ウィンダミアは毒ガスを注入されたのかもしれない。あるいは内部に何らかの戦闘ロボットを送り込まれ、全滅したのだ。」艦橋にいるヤマグチ司令官は言った。

 

少しの沈黙のあと司令官は続けた「核ミサイルを発射しろ。不用意に近づかれてはならない。」彼は内心臆病なのだ。未知の方法で、戦艦ウィンダミアが攻撃されたと思い込んでいる。それに対処できない自分を薄々分かっている。だから近づく前に破壊したいのだ。それには核攻撃が最も強力なのだから。

 

程なく援軍艦隊から核ミサイルが発射された。

「複数のミサイルが発射されました。推測ですが、あの中に核が混じっているでしょう。」とオリオン。ホログラムにもミサイルが表示されている。