「良かったわ。できれば殺したくはないのよ。私だって。それにある程度はホントみたいね。チョプラ艦長は、訳が分からないところがあるけれど、まあいいわ」とアルテミス。 

 

通信を終えたテティス船内で

「思ったより、うまく行ったようだね。でも・・・まさかアルテミス、君は人の意思も操れるのかい?」ハッデンは言った。「それは・・ないと思うわ・・。多分従わない者もいるはずよ。その人達はどうするの?ハッデンさん。」とアルテミス。

「それは後で考えよう、今は向かって来ている合衆国軍をどうにかしないとね。」ハッデンは言った。

 

「敵艦と思われる物体が動き出しました。こちらに向かってきます。」とオペレーターが言った。

援軍艦隊の司令官は、少し頷いただけで言葉を発しない。戦艦テティスはさっきと同じように急加速していた。「これはすごい加速度です。チョプラ艦長からは、あの船にも人が乗っているとの通信がありましたが・・。」とオペレーター。

 

「その後チョプラ艦長からの連絡は?」援軍艦隊司令官ヤマグチは言った。「ありません。こちらの呼びかけにも全く答えません。」レーダーには戦艦ウィンダミアと思しきものが映っている。しかしトランスポンダーは何故か切られていた。「あの不明艦はウィンダミアに毒ガスでも使ったのか?」とヤマグチ司令官。

 

「それは・・わかりません。艦内データの送信も、すべての通信が途絶えています。」とオペレーター。

アルテミスは、たとえチョプラ達がコンピュータを奪還しようとしても、出来ないように全ての機能を掌握していた。