「それは・・降伏する事、とお伝えしたが・・まあ、いきなり過ぎたかな。我々の仲間、いや・・上司の鞍替えをしないかね?」とハッデンは言った。この間にもコンピュータは警告を発し続けていた。温度も危険な領域に達しつつある。

 

(ハッデンさん、ちょっとだけ炉心温度を下げるわ)アルテミスは非音声通信をハッデンに送った。

(そうだね。少し猶予を彼らにあげよう。)とハッデン。

 

うるさい警告はやみ、「炉心温度下降中」との音声が聞こえる。「彼女がやったのか?その・・お前の横にいる娘が?」とチョプラ艦長。「そうよ。話し合いには時間が必要でしょう?あと数分で爆発するところだったから温度を下げたわ。」アルテミスは言った。

 

「上司の鞍替えって・・お前の下につけってことか?」とチョプラ艦長。

 

「下にって・・今でも君の上官は結局、合衆国大統領、だろう?彼等に付くより、単純に給料は上がるよ?それに、何より勝ち馬に乗れる。」ハッデンは言った。

「そんなことで合衆国への忠誠を捨てるとでも?」とチョプラ艦長。

 

その時、副官は言った「チョプラ艦長、ほとんど負けてる状態なのに何言ってるんですか?!それに忠誠心なんて初めて聞きましたよ?」

「そんなこと言ったって・・はいそうですか、って言えるか?」とチョプラ艦長。

 

(ハッデンさん。もう少し船を近づけられないかしら?私に考えがあるの)アルテミスは被音声通信で言った。そして彼女はチョプラ艦長との通信を一旦切って、自分が瞬間移動する光景をハッデンに見せた。

驚いた表情でアルテミスを見るハッデン「そんなこともできるの?」

「できますのよ?」アルテミスはイタズラっぽく笑った。