・気の色が金色だよ。全部じゃないけど・・ゴージャス。」タカシは笑った。「スゲエじゃん。俺には見えねえけど、あんま、いないんだろ?そういうの」とリクト。

 

「そうだよ。少ない。綺麗な金色だ。最上級だねきっと。アルテミス、自分で変化は感じないの?」タカシは言った。

「変化・・感じてるわよ。力が強くなってるの。多分だけど・・地球の近くにいる人とつながったわ。すごい距離よ?38万キロ。そんな距離の人と通信できたなんて・・・でも、その人にも何らかの力があるみたいなのよ。」アルテミスは言った。「俺たち以外に?遺伝子操作しなきゃ無理じゃねえの?」リクトは言った。

「それはそうなんだけど・・すごく弱い力よ。私たち程じゃない。」とアルテミス。

 

地球合衆国 対 火星連邦

 

そこへミンチン博士がやってきた。「あなた達、何をしてるの?地球と火星が戦争をはじめたのよ。」大変な事が起きたのよ?と顔が言っている。

 

「知ってるよ。火星の人が沢山死んでるんだろ?」とリクトが言った。「オリオン、ニュースを見せて。」アルテミスがそう言うと部屋のスクリーンにニュースが映し出された。

 

キャスターと有識者だ「こんなに早く反撃するとは・・・合衆国政府は何を考えているんでしょう?まだ火星がやったとは分かっていないのでは?」有識者、と見られる女が言った。

 

「これは大変なことですよ?もし火星の仕業でないとすれば・・全面核攻撃で火星の死者は大変な数になっているはずです。」キャスターは言った。かなり驚いている。地球側が全て用意していた事など知らないから。

 

こんな風に地球合衆国の市民の中にも訝しむ者もいたが、既に軍隊はもちろん、司法も警察も市民のものではなくなっていた。

 

合衆国大統領はすべて用意させていたのだ。反対する者は、雑魚なら殺されたりはしないが、有力議員は別だ。議員の中に大統領を罷免し停戦を目論む者がいたが、その動きは違法な盗聴と買収で現大統領に把握されていた。元々その議員も、何か理由をつけて現大統領を追い落とそうとしているだけだった。

 

そして、その議員の自宅が爆発した。警察は通り一遍の操作をしているが、発表される結果は決まっている。火星のテロリストが合衆国への報復として議員の家を爆破した、そんなところ。前々から自分に反抗的な、その議員を見張っていた現大統領は、いい機会とばかりにその議員を抹殺したのだ。

 

「このまま太陽で重力ターンして小惑星帯へ向かおう。これなら行ける・・・。」ヨシュアの前には太陽系の地図と幾つかの飛行コースが映し出されている。「そお・・だな。燃料も、このコースなら足りるか・・・」ヨシュアは言った。

 

「でも、小惑星帯は、やばいんじゃねえの?ストルムグレンが牛耳ってるじゃん。」とヤマダ。

「アップワードおじさんのところに行こうと思う。」とヨシュア。アップワードおじさんとはホントのおじさん。ヨシュアの兄と違って表向きは廃品業者。でも裏では偽造ID作り、違法な部品の売買などををしている。

 

「ああ、あの、おっさんかあ。そうだな、あの、おっさんなら、匿ってくれそうだ。」ヤマダは言った。

「ロシナンテ。太陽を重力ターンして小惑星帯へ向かうコースをとれ。」ヨシュアは言った。