女性の暮らしと民具―小山市立博物館の企画展―3 | AKI―エーケーアイ―

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本年3月28日、ブログ開設17周年を迎えます。これまでのご声援に、深く感謝申し上げます。

まだまだ話は続きます。

? 母へ―お産は女の大役―

出産、それは女性にとって、今も昔も命を賭けた大仕事です。出産とはすなわち、新しい命の誕生を意味します。

しかし衛生状態の良くなかった昔は、乳児死亡率が高く、出産を取り巻く状況も今以上に厳しいものでした。

さらに戦前は、「産めよ殖やせよ」の国策の下、とにもかくにも子供を多く産むことを是とされた時代で、戦争中は男性は戦争に駆り出される一方で、女性のほうも多くの子供を産むことを強いられた、非常に厳しい時代でした。

栃木県における乳児死亡率(年間の1,000出産あたりの生後1年未満の死亡率)の移り変わりの折れ線グラフがあり、戦争中は80人台で、私が生まれた昭和50年代は10人台、現在、というよりそのグラフにおける最も新しいデータでは2~3人台(うろ覚えなので間違えているかも)という差があるので、今日の衛生状況など出産を取り巻く環境の向上、逆に戦争中がいかにその環境が悪かったかというのが容易に想像できます。

現在と昭和50年代でも、戦争中ほどではないにしてもその差が大きかったのがショッキングでした。

出産でお守りといえば安産祈願のお守りですが、ここ小山では安産祈願するといえば茨城県の真壁郡大和(やまと)村(現在の桜川市)にある雨引観音(あまびきかんのん)であるようで、雨引観音の安産守りや手ぬぐい等が多く展示されていました。

電車ではJR水戸線の岩瀬駅が最寄ということになっていますが、それでも駅からはタクシーで10分と、イースタンの球場並みに不便です。

それから、産婆(現在は「助産師」という名称)さんの話もあり、地域で40年間以上に亘り何百人の子供の助産に携わったという話があり、助産のための道具や、記録のための書類と免許状の展示がありました。

狭い地域だけでも、出産はいつ起きるかわからないので、例えばわが子の授業参観にも出てやることができないというような苦労話もありました。

以上が、今回の企画展における女性のくらしの紹介でした。

その次は、ライフステージから離れて「女の呪力」というコーナーがありましたが、これは別にまた書きます。

尚、この企画展は2月8日(日曜日)まで開催されます。

明日は、小山市立博物館へのアクセスの話をします。または小山市のホームページをご参照いただくと分かります。