【映画を届けるのって、大変っ!】キンコン西野

2020-12-29 08:19:49
テーマ:ブログ

※これは僕が勝手に短くまとめた文章です。あくまで自己流で、西野氏の本意とは異なる可能性が高いので、その点だけはご注意、ご理解下さい。



本題に入る前に近況報告からさせてください。

現在、『映画 えんとつ町のプペル』が絶賛公開中でございますが、昨日、初日の舞台挨拶の動画をYouTube上にアップしたところ、「ここに至るまでに、そんなツライ思いをされていたんですね。そういった話は、どこで知れますか?」というお声を結構いただきました。




先日、発売されたエッセイ『ゴミ人間 ~日本中から笑われた夢がある~』というのがまさにそれで、僕が絵本作家になったその日から、『映画 えんとつ町のプペル』の初日を迎えるまでの十数年間の日記です。

「こういう局面では、こういう仮説を立てて、こういう打ち手を選びました」というビジネス寄りの話も書かせていただいておりますが、どちらかというと、その時々の心情が厚めで、悔しかったことだとか、悲しかったことを正直に、女々しく書いております。


そして、もう一点。

先々入っている『映画 えんとつ町のプペル』の舞台挨拶が、実は「舞台挨拶」という生ぬるいものではなくて、「30分のトークショー」ということが発覚したのは前回、前々回、お伝えした通りですが、その「30分のトークショー」の追加分が昨日、発表となりました。



ちなみに、【今日】は、TOHOシネマズ海老名の9時5分の回の上映後と、12時10分の回の上映前。
そして、TOHOシネマズららぽーと横浜の12時15分の回の上映後と、15時20分の回の上映前。

【明日】は、TOHOシネマズ川崎の9時5分の回の上映後と、12時10分の回の上映前。
そして、TOHOシネマズ池袋の12時15分の回の上映後と、15時20分の回の上映前。


【明後日(12月31日)】は、TOHOシネマズ日比谷の12時5分の回の上映後と15時10分の回の上映前。



そこから年が明けて、1月1日は大阪に移動しまして、TOHOシネマズなんばとTOHOシネマズ梅田でありまして、ここからは公式ホームページをご覧いただきたいのですが、多い時で1日6ステージ入っていたりします。

年の為、もう一度言いますが、30分のトークショーが1日6ステージです。


そんなスケジュールが現時点で1月11日まで決まっています。

「お前、映画を届けるの必死じゃん」と笑われるかもしれませんが、そうなんです。必死なんです。

ここからが今日の本題で、最後は「お互い頑張りましょうね」という話に着地するのですが、映画を届けるのって、メッチャ大変なんです。


ありがたいことに、『映画 えんとつ町のプペル』は良い滑り出しで、いわゆる「爆死」みたいな状況は回避することができたんですね。


「オリジナル作品でよくぞそこに割って入ってきたな」という状況です。

ただ、「テレビアニメの映画化」でもない「テレビドラマの映画化」でもない、名も知れぬオリジナル作品はあの手この手を打ちまくって、ようやくそのラインなんです。

ぶっちゃけ、ライブや書籍はコア層に届けば、それなりの結果が出るわけですが、映画というのは「マス」が相手なので、「コア層に届けばいい」というものではありません。


『映画 えんとつ町のプペル』の希望は「メチャクチャ評判がイイ」ということで、こればっかりはガッツポーズでしかないのですが、ただ、その声というのはやっぱり広めていかなきゃいけない。

自然と広まっていくことを願っている場合じゃなくて、広まっていく後押しはしなくちゃいけないんですね。


それもあって、1日4ステージ。多い時で6ステージのトークショーを毎日開催しているのですが、それでもまだまだ足りない。

どこと比べられるかというと、『鬼滅の刃』とか『ポケモン』とか『ドラえもん』とか『エヴァンゲリオン』とか、あと同時期の公開だと『ワンダーウーマン』とかがシレ〜っと入ってきたりしています。


朝はラジオでこうして映画絡みの話をして、その後、オンラインサロンの方に「映画を一人でも多くの人に届ける為の次の打ち手について」の記事を書いて、トークショーで各劇場をまわり、移動中はツイッターにへバリついて、リツイートしたり、コメントを返したり…どれだけやっても全然足りないんです。

僕は、どこまでいっても「内容」だと思ってますよ。


ただ、世間は数字の結果で勝ち負けを判断するし、プロとして狼煙を上げた以上はそれは受け入れなきゃいけない。

どれだけやっても不安は消えませんし、これはありがたいことでもあるのですが、恐ろしいことでもあって、今、『映画 えんとつ町のプペル』は数十の国からオファーをいただいているんですね。

つまり、日本だけじゃなくて、ここから先は各国で同じような競争をしなくちゃいけない。


その国にはその国の『ドラえもん』みたいな国民的作品があって、そこと比べられちゃうんです。

震えますよ。

それでも、やっぱりイイなぁと思うのは、ここまで一筋縄ではいかない勝負って、人生でそうそう経験できるものじゃない。

これは、おそらくサロンメンバーさんは察していると思うのですが、コロナも相まって、僕、今、完全に「かかっている」んですね。

「やってやるぞ!」というギアが一番上まで上がっている。

それって、自分の意思だけではそこに持っていくのは不可能で、やっぱり「環境」がそうさせている部分が多分にある。

毎日朝まで仕事をして、チョコっと寝て、また朝から仕事に行って、「やってもやってもまだ足りない」という毎日で、「畜生!」の連続なんですけども、その一方で、SNSやYouTubeで映画の感想を言ってくれる人達がいて、それを見て救われたりして、感情がグラングラン揺れてます(笑)。

感想ツイートや、感想動画、本当にありがとうございます。

「♯えんとつ町のプペル」が付いているものは全部見させていただいています。


僕がお爺ちゃんになって、昔を振り返った時に、この2020年の記憶は、結構、鮮明に蘇ると思います。


映画を届けるのってメチャクチャ大変なのですが、僕はこの環境に感謝しなくちゃいけない。


今、とくにコロナで、大変な思いをされている方、たくさんいらっしゃると思うんです。

「やってもやっても問題が解決しない。なかなか光が見えない」という状況にある人って、少なくないと思います。

その苦労と、僕なんぞの苦労を比べるのはおこがましい話ですが…それでも僕のジタバタもがいている姿が、「もう少し頑張ろう」と思っていただけるキッカケになると嬉しいです。

まだまだ先は長いですが、お互い頑張りましょう。

西野亮廣(キングコング)