
推しが去って、その女性に「さっきは何て言ったの?」と聞いたら私の額に指を2本あてました。私は指や関節、手のひらなどを触ってあまり大きくない手だな、祖母の手とも違うなと思い、私の手にあなたの名前を指で書いてと頼みました。
書かれた文字がよくわからなかったので、どうしようと思っていたら、その女性が私の左頬に彼女の右の頬を4回ぺったんぺったんしました。
これは「愛」だな、しかも母親クラスの愛情だなと思い、すると今度は人差し指が額を触りました。
「もしあなたがお母さんなら、指で額に丸を書いて」と思うと、指が丸を描きました。
お母さんだ。
私の母は私を産んで8日後に難病と診断され、私が物心つく頃には入院していて、私は父方の祖母に育てられました。
母の病気は重く、寝たきりで目は見えず会話もできない状態で、医師から「小さい子供に母親の悲惨な姿を見せない方がよい」と言われた父は、私が物心ついてから10歳くらいまで私を母の見舞いに連れて行ってくれませんでした。
母との思い出は3つくらいの時に、病院のラウンジで額をごっつんこして遊んだことくらいです。
出産して子供を育てるという幸せを病気のために奪われた母。私が16歳の時に母は49歳で亡くなりました。
母が亡くなって40年以上経ちますが、変わらず私を愛してくれているのだなあと心がジーンとしました。母と普通に暮らしてみたかったです。
来世で会ったらわかるかしら。