こんばんは。
市井舞です。
今回は前回書いた通り格闘技の安全性について書きます。
早く強くなることも大切ですが、怪我をしてしまったら意味がありません。
即効性を目指すトレーニングをするのと無茶なトレーニングは全くの別物ですので、そのことについても書いていこうと思います。
格闘技だけでなくスポーツやトレーニングをするのは、大なり小なり危険があります。
普通の日常生活を送っているだけで、転んだり、足を挫いたりしてしまうのに
運動をして怪我をしてしまう可能性がゼロな訳はありませんよね。
前回のブログで練習初日からスパーリング練習をできると書きました。
素人と同士を対戦させる場合はかなり難易度が上がります。
プロ同士の方が怪我のリスクは圧倒的に少ないです。
良くも悪くも「素人は何をするかわからない」からです。
面白い話があります。
ある格闘技の試合でKOを連発していたプロ格闘家がいました。
その選手が本格的に立ち技を勉強してきちんとしたトレーニングを積みました。
するとそれまでKOを連発していたのがまるで嘘の様にKO勝利ができなくなりました。
練習をすれば強くなり、同時に上手くなります。
しかし、上手くなるということは正しいフォームと技がより正確に繰り出されるということです。
それまで自己流だったものが主流になり、皆と同じ技になります。
すると、嘘みたいに攻撃を見破るのが簡単になってしまいます。
怪我とリスクの話に戻ります。
練習初日にスパーリングをさせる場合、素人同士ではまずやらせません!
まずは私が相手をします。
ただし、本人がやりたいと言った場合です。
自分の現在の立ち位置(強さ)が知りたい!
ここで練習をすれば強くなれるのか?
どんな風に戦うのか体験してみたい。
また、本人のモチベーションにも繋がります。
私も現役時代レスリング(プロレスとは違う)全くの未経験でしたが、
吉田沙織選手や伊調選手にスパーリングを挑んでいました。
もちろん瞬殺です。
他にも何人もの世界チャンピオンとスパーリングしました。
強い選手は素晴らしい技術を持っているので、スパーリングの相手をしていただけたことは、本当に楽しかったし最高の経験になりました。
初心者の場合はまずは、基本の動作のみをしてもらいます。
キックボクシングだと「ワン・ツー」と「ロー」です。
時々教えたこと以外の攻撃をする人もいますが、
元プロレスラーなのでどんな攻撃がきても対処できます。
安全性をいうのなら私自身の安全性もある程度は確保します。
【初心者同士でミットをやらせてはいけない。】
これは安全面ではかなり重要なことです。
いきなり物凄い打撃が来てしまった場合、持っているミットが顔面に直撃する事故が起こります。
また、蹴りで吹っ飛ばされて頭を強打する可能性もあります。
初心者だから弱いとは限りません。
稀に力が強くて体格の良い初心者さんもいます。
まずは持ち方の練習からやりましょう。
【無理な練習は絶対にやってはいけない!】
キックボクシングの試合は女子の場合は1R2分で行います。
インターバルは1分。
大体1試合は3Rです。
むやみやたらに何分もぶっ通しで稽古をするのは間違いです。
初心者の場合は特に会話ができる程度の余力を残してあげると良いでしょう。
1Rごとタイマーを回す練習の意図はあくまでも1試合にどの程度動けるかの感覚を身につける為です。
異常な練習量をさせてしまった場合は、怪我や不慮な事故に繋がる可能性があります。
絶対にやめましょう。
【練習をさせてはいけない場合を見極める】
格闘技でもっとも危険な練習はプロレスの「受け身」です。
私は現役時代1回の練習で100回以上受け身をとりました。
練習は毎日あります。
時には1000回以上の受け身を取らされた時がありました。
「受け身」というのはダメージを軽減させる技であって
「ノーダメージではない」です。
つまり100回なら100回分の
1000回なら1000回分のダメージがあります。
全身打撲と徐々に体の骨がずれてきます。
もちろん大丈夫な人もいます。
私の場合はダメでした。
何回も何回も練習のし過ぎで死にかけました。
結果・・・・
体調不良の人を見つけるのがめちゃくちゃ得意になりました。
「頭が痛い」・・・絶対に練習してはいけません。
「足が痛い」・・・上半身のトレーニングやりながら様子を見ます。
「腕が痛い」・・・蹴りや下半身のトレーニングをやりながら様子を見ます。
「胸が痛い」・・・原因を突き止めてからできる練習を
「背中が痛い」・・・原因を突き止めてからできる練習を
大まかですがその様な形でやります。
格闘技で怪我で多いのが「頭が痛く」なること。
パンチやキックをしたり、ミットを持った反動で細かい骨がずれたり脳が揺れたりする場合があります。
特に頭痛は心配なので「氷枕で頭をよく冷やす」こと
心配な場合は病院に行って検査を受けることも大切です。
怪我をしない・安全の為に重要なことは過信をしないということです。
焦らず・ゆっくり・マイペースで
楽しくできる範囲でやっていくことが一番大切です。