インデックス投資に対する誤解② | 投資 備忘録

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前回の続きです。

100万円持っていて以下のA,Bにどう投資するかという話でした。

 

A:コインが表(〇)なら2倍(+100%)、コインが裏(×)なら半分(-50%)

B:コインが表(〇)なら半分(-50%)、コインが裏(×)なら2倍(+100%)

(毎回AとBにいくらの資産配分するかを決める事ができ、コインを投げるたびに増減した資産は持ち越します。コインの裏表の確率は50%です。)

 

さて、ここで「常に半々」戦略と「一方に集中投資」戦略を比較していきます。表を〇、裏を×としています。

コインを4回投げて〇×〇×の場合

 

・Aに「集中投資」の場合

100万円×2×1/2×2×1/2=100万円(Bに集中投資でも同じ)

 

・「常に半々」の場合

1回目:50万円×2+50万円×1/2=125万円→これを半々にして2回目に持ち越す

2回目:62.5万円×1/2+62.5万円×2=156.3万円→これをまた、半々にして3回目にいく

3回目:78万円×2+78万円×1/2=195.3万円→これをまたまた、半々にして4回目

4回目:97万円×1/2+97万円×2=244万円

 

 

これ、「常に半々」戦略はコインが裏だろうが表だろうが必ず1.25倍増えていくんです。そして複利が恐ろしいのは掛け算をしていくところで、1.25を5回かけた場合、約3になります。つまりこのゲームを5回すると「常に半々」戦略は3倍になっているのですが、「集中投資」戦略で3倍を越えるには五分五分。そして6回以上だと正確に計算してないですが、やればやるほど集中投資戦略が不利になるんです。九条さんのブログなど幾何平均のシミュレーションは多くのサイトで見れますが、上のような簡単な例で考えるとわかりやすいかなと思います。

 

期待値がプラスなら投資すべきなのか?のパラドックス - FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記 (kuzyofire.com)

 

 

20回行うと裏表の組み合わせに関わらず必ず86倍になりますが、集中投資でこれを上回るには裏または表のどちらかが7回多く出ないと勝てません。裏と表の出る回数の差が6回以下なら、どっちに集中投資しても負けてしまいます。

 

そして、この半々戦略こそがインデックス投資(時価総額加重平均)であり、つまり大事な事は平均の真の力は複利によって発揮されるということです。アクティブファンドが勝ちにくい(手数料や課税繰り延べも考慮するとほぼ負ける)理由が数学的に証明されてしまうのは恐ろしい話だと思いますし、資本主義の英知の結晶たるインデックスファンドが世界を平和にする神になるのか格差を拡大させる悪魔になるのか分かりません(恐らく後者だと思いますが...)。ちなみに期待値マイナスの場合は操作を繰り返し続けると、ほぼ破綻します。ギャンブルの破産問題というのが有名ですが、これも数学的に証明できます。FXやCFDなどでレバレッジをかけてガチャガチャするのは破産まっしぐらで実際の統計データでも同じような結果になっています。

 

さて、ここまで書いておいて私が個別株をガチャガチャする理由も一応あるので、余裕があれば書きたいと思います。