【金融機関が行うデューディリジェンスとは】
皆さんこんにちは😊
金融資産総合研究所です⭐️
本日はデューディリジェンスについてお話しします。
まず、デューディリジェンス(Due Diligence)
日本語では『調査』と訳されます。
つまり、調査による適正評価の手続きの事です。
例えば投資を行う際に、本当にその投資対象に十分な価値があるのか、またリスクはどうなのかを詳細に調査する作業を指し、通常、案件の実態を事前に把握し、価格や取引について、適切な意思決定をするために行われたりします。
ちなみに、本用語は、元々は法律用語として、企業が証券を発行する際に、開示している情報が法制面の基準に適合しているかについて、投資家保護の観点から開示情報を精査することを指して使われたのが語源だそうです。
金融機関によるデューディリは投資対象だけではなく、犯罪組織や犯罪マネーに関しても厳しく行われます。
マネーロンダリング対策(以下AML )は、
薬物犯罪や組織犯罪に悩むアメリカから始まり、やがて国際的な取り組みが活発に行われるようになった結果、FATF(金融活動作業部会)にリードされる形で、日本でも銀行中心に対策が進んで来ました。
米国では
2001年9.11同時多発テロ以降、テロ資金根絶のため、金融機関等に厳しいAMLを求めるようになり、AMLに係る体勢構築の不備を理由に、業務停止命令や過料の支払い命令に服す機関が増加し、
2007年9月には
三菱東京UFJ銀行在米子会社である
Union Bank of Californiaも、1年間の刑事訴追留保処分と罰金計3160万ドルを支払うことになりました。
この様に
金融機関が犯罪組織やその資金の受け入れに関与するというのは大きなリスクとなります。
では、日本ではどの様な形で対策をしているのか?
日本では、マネーロンダリングが疑われる取引を
*FIUへ届け出る「疑わしい取引の届け出制度」が金融機関等に義務づけられました。
(*FIUとはFinancial Intelligence Unitの略)
『マネーロンダリング情報専門に収集・分析・提供する機関であり、
以前、日本のFIUは金融庁に設置されていたが、AML 対象事業者拡大にあわせて、国家公安委員会・警察庁(犯罪収益移転防止管理官:JAFIC)に移管されました。
その後、2008年に犯罪収益移転防止法が成立。
これに伴い、従来、金融機関等に本人確認や SAR 等を義務づけていた金融機関等本人確認法及び組織的犯罪処罰法第 5 章(疑わしい取引の届出)
は廃止され、犯罪収益移転防止法による対応に概ね一本化されました。
①金融機関等は
各士業が顧客等の本人確認、記録、取引記録等を作成保存する(日本弁護士連合会の会則で定める)
↓
②疑わしい取引の届け出を行政庁に行う
↓
③届出情報は日本国FIU国家公安委員会(警察庁)が外国の機関と緊密な連携の元、情報交換され、届出情報の整理、分析がなされる
↓
④整理分析された情報は捜査機関等に情報提供され、犯罪事件の捜査、反則事件の捜査が行われる。
このようなプロセスにより、
犯罪マネーの移転に合法経済が利用されることを防いでいます。
また、
英国ではSOCA(Serious Organised Crime Agency:重大犯罪捜査局)にFIUが設置されていたり、
三菱、三井住友、みずほの各グループでは
2008年度にそれぞれ10億円超のマネーロンダリングシステム対策を行っています。
この様に、
各国の各金融機関は
国や海外の金融機関、行政などと連携しデューディリを行い、
犯罪組織にお金が流れることを防いだり
犯罪組織のお金を受け入れてしまわないようにしているのです。