モンゴル経済トピック(1月)
今月の主なトピック
 2007 年のインフレ率は前年比4%増加。2007 年の経済成長率は9.9%。
(経済)
 アスガト銀鉱床をロシアと50:50 で開発。(経済)
 モンゴル国内で36 番目のエイズウイルス感染例が報告。(保健医療)
 ウランバートル市にマイクロソフト社の支社が開設見込み。(情報通信)
詳細は各項目を参照

1. 経済
 国家大会議の経済常任委員会は、政府から提出された預金保険法案を審議し、
可決した。150 万トグログ以上の預金口座保持者が預金保険に加入することがで
きる。モンゴルでは全預金者87.7 万人の預金総額が2,590 億トグログとなってい
るが、全預金者の88%が同預金保険に加入できる。(UN3)
 Ts.ガンホヤグ食糧・農牧業大臣は「山羊が増加しているので、家畜の構成を抜本
的に改革する。今年はラクダが前年比7,100 頭、牛が25 万8千頭増加しているが、
この増加傾向を維持する。また、10 万トンの小麦及び1 万5 千トンの小麦粉を備
蓄しているが、それに加え、510 億トグログ相当の小麦及び小麦粉を政府が購入
することが認められたので小麦粉は不足しない。」と述べた。(UN4)
 ミレニアム挑戦公社(MCC)による2 億8500 万米ドルの資金協力に関する署名式
が昨年11 月に行われた。モンゴル・アメリカ両国大統領が締結したミレニアム挑
戦会計( MCA)コンパクトの承認について国家大会議の関連常任委員会で協議さ
れた。5 年間の受取額は4,900 万米ドル、7,000 万米ドル、7,700 万米ドル、7,800
万米ドル、1,400 万米ドルの予定。( UN5)
 モンゴル政府とモンゴルロスツヴェトメト( Mon golrost svetmet)社との間のアスガト
銀鉱床に関する交渉が成功し、契約案が国家大会議に提出された。タワントルゴ
イ鉱床投資契約案に関し、H.ナランフー産業・通商大臣を座長とする作業部会と
エナジー・リソース社との交渉において、同社は86%の保有率に固執している。モ
ンゴル政府とアイヴァンホー・マインズ社との投資契約案も棚上げとなっているが、
モンゴル政府の立場は50:50 である。(UN8)
 H.ナランフー産業・通商大臣は「鉱業分野の企業設立のための法整備が必要で
ある。タワン・トルゴイ、オヨー・トルゴイプロジェクトに関する政策を決定する。」と
述べた。(ZM8)

 国家安全保障協議会は、モンゴル航空( MI AT)社の民営化につき最終結論を出
すために協議する。道路・運輸・観光省及び国有財産委員会はMIAT 社の民営化
案を提示し、閣議で協議された。閣議は、同社の51%をモンゴル国の財産とし、全
株の10%を社員が保有し、民営化後20 年間は会社の基本方針を変えないという
案を支持した。(UN9)
 N.エンフボルド内閣官房長官は、アスガト銀鉱床の国所有分を50%とする案を
国家大会議に提出。(US9)
 H.ナランフー産業・通商大臣、ソドバートル産業・通商副大臣が記者会見を開き、
(1)鉱業ライセンスは7500 から4436 に減少した旨、及び( 2)アスガト銀鉱床開発
についてロシアと50:50 の割合で協力する旨発表した。(US9)
 モンゴル政府は鉱物資源法を改正する。鉱物資源法の改正により、タワン・トルゴ
イ鉱床を100%国が所有することが可能となる。(UN10)
 日本の雑誌「サピオ」にカンボジア、北朝鮮、中国の船舶がモンゴルの便宜置籍
船となっている問題に関する記事が掲載された。2007 年6 月までに、モンゴル籍
船が331 隻日本に入港している。道路・運輸・観光省は「外国の船1000 隻にモン
ゴル国旗の使用許可を与えている」と発表。(US15)
 モンゴル国家統計局は2007 年度統計情報を公開。インフレは前年比4%増加し、
経済成長率は9.9%になった。日用品の平均価格は15%増加。家畜数は4030万頭、
人口は4 万人増加し260 万人となった。1 人当たりGDPは170 万トグログ。(US15)
 フランスのアレヴァ社の代表はS.バヤル首相と面会し、モンゴルのウラン分野へ
の関心を表明し、サインシャンド地域への投資を希望すると伝えた。モンゴルのウ
ラン埋蔵量は8 万3 千トンで、世界20 位である。(US21) フランス
 N.エンフボルド内閣官房長官、メタ国連常駐代表、ドルジダグワ・バヤンウルギー
県議会議長、バヤルトド・ヘンティー県議会議長、バトジャルガル・トゥブ県議会議
長らは「地方行政支援計画」の実施に関する覚書に署名。UNDP は40 万米ドルを
バヤンウルギー、トゥブ、ゴビアルタイ、ヘンティー県に供与。(US22) U NDP
 「ノン・プロジェクト無償資金協力」に関する公文の署名・交換がオヨーン外務大臣
と市橋大使との間で執り行われた。供与金額は8 億円で、約80 億トグログに相当
する。同プロジェクトは、モンゴルの経済構造の改善を目的に供与される資金援
助で1991 年以降今回で12 回目の実施となり、これまでの総額は174 億円である。
(UN26) 日本

2.金融
 世界的に有名な格付け会社スタンダード&プアーズ社は、モンゴルの信用格付け
は2006 年はB+であったが、2007 年はB B-になり、レベルが一段上がったと発
表。
 国家大会議の安全保障・外交政策常任委員会は、ホンゴル郡で公開会合を開き、
同会合にR.エルデネブレン議員、M.エンフサイハン議員、B.ムンフトヤー議員が参
加した。安全保障・外交政策常任委員会は「ホンゴル郡のシアン化物中毒は継続
している」とし、シアン化物の輸入禁止、ホンゴル郡住民の移住、国連からの調査
団の派遣を閣議及び国家大会議に提出し審議すべきと判断した。(ZM10)
 公務員の給与は2008年1 月から20%引き上げられた。大統領の給料は1,095,000
トグログ、国家大会議長の給料は825,870 トグログ、国家大会議議員の給料は
630,861 トグログ、汚職対策庁長官の給料は820,854 トグログとなる。(UN16)
 経済常任委員会は、モンゴルにおいて外国企業が活動許可を得るための最低投
資額を1 万ドルから10 万ドルに引き上げる改正案を支持。2007 年の外国投資合
計額は4 億9,900 万ドルに達した。(ZM17)
 R .ソドフー証券取引所社長は「国際株式市場における株価暴落はモンゴル経済
に直接的には影響しないが、一部の製品の価額が上がる可能性は高い。」と述べ
た。
 モンゴル政府及び世銀が共催する第4 回ドナー技術会合は1 月28 日に、ウラン
バートル市で開催。サイード世銀モンゴル事務所長は「モンゴル政府が直面して
いる問題を取り上げ、問題解決のためドナー国が財政的・技術的支援を行う。モ
ンゴル政府、民間企業の代表が集まって協議し、協力するとの点が意義深い。」と
述べた。(UN28) 世銀
3.貿易
(特記事項なし。)
4.インフラ
 市橋大使、オヨーン外務大臣及びナランプレブ道路・運輸・観光省運輸局長らは
「新ウランバートル国際空港建設計画」に関する円借款供与について記者会見を
開いた。2 億7000 万米ドル(2880 億トグログ)の円借款の償還期間は40 年間、
金利は0.20%である。(US8) 日本
5.エネルギー
 N .エネビシ再生可能エネルギー・センター長は、「モンゴル政府が承認した10 万
戸の遊牧民に太陽電池を供給するプロジェクトに関し、2000 年に5000 個、2001
~2005 年に4 万5000 個、2005 年から2010 年までに5 万個の太陽電池を牧民
家庭に半額補助で供給する予定であった。現在、53.2%の供給が完了している。」
と述べた。(US22)
 エギン川水力発電所建設のため中国政府から供与される3 億ドルの借款を、アパ
4
ート4 万戸建設計画に使用することについて閣議で審議された。(UN23)
6.教育
(特記事項なし。)
7.農牧業
 2007 年の国勢調査によると、モンゴルの全家畜数は3,964 万頭で、前年比13.9%、
480 万頭増加。9 県でラクダが増加したが、ウムヌゴビ県ではラクダがもっとも多く、
7 万5,300 頭となっている。(US10)
8.保健医療
 モンゴル国内で36 番目のエイズウイルス感染の症例が2007 年12 月に報告され
た。20 歳の若い男性が感染した。 (ZM7)
 12 県の66 郡の93, 000 頭の馬が馬インフルエンザに感染し、21 頭が死亡し、33,
000 頭が回復した。ホブド、オブス、バヤンホンゴル、ザブハン、ゴビアルタイ、ドル
ノゴビ、アルハンガイ、スフバートル、ボルガン、ヘンティー、ウブルハンガイ県の
53 郡の約61, 000 頭の馬を獣医病院が監視している。(UN8)
9.環境
 ウランバートル市役所及びウランバートル市自然保護局は大気汚染削減のため
の対策及び結果について報告。Ch. バトサイハン市役所職員は「ウランバートル
市は、昨年大気汚染対策のため国家予算20 億トグログを使用し豆炭を生産した。
大気汚染削減には420 億トグログが必要である。」と述べた。(US11)
10.情報通信
 Ch.サイハンビレグ情報通信技術庁長官はベルリン市で行われた会議に参加し、
同市を訪問中のマイクロソフト社の設立者ゲイツ氏と面会し、ウランバートル市で
マイクロソフト社の支社を開き、情報技術の発展促進のため協力することで合意
した。(UN30)
※括弧の中の記号は新聞名と日付を表す。
(US ウドゥリーンソニン紙、ZMゾーニーメデー紙、UN ウヌードゥル紙、MMモンゴリンメデー紙、ウネン紙、MO モンツァメニュース)