昨日書いた原油先物ETFにまつわる恐怖体験を通じて学んだことをひとつ、復習しながら書き留めておこうと思う。
その学んだことというのはコンタンゴという言葉だ。先物取引において、期近限月よりも期先限月の方が価格が高い状態のことを意味するらしい。
自分の理解によれば、原油に限らずコンタンゴとは先物型ETFのコスト要因となるものであり、それは以下のような理由による。
先物型ETF(ある商品の先物価格に連動する値動きをするETF)は、当然、先物で運用される。
先物とは特定の日に特定の価格で商品を購入する取引だから、先物を持ったまま満期日を迎えると、商品の現物をその価格で引き取ることができる。
しかしファンドは現物を引き取るわけにはいかないから、そうなる前に先物を売却し、もっと後に満期日を迎える先物に買い替える(ロールオーバーする)。
このとき、もうじき満期日を迎える先物が割安で、後に満期日を迎える先物が割高だったら(つまりコンタンゴだったら)、買い替えのためにコストが発生してしまう。これがETFのコスト要因となる。
…とまあ、自分の拙い理解を書き出してはみたが、日本取引所グループのウェブサイトを熟読した方が正確だしためになるかも知れない。
ちなみに2020年4月の原油先物価格大暴落のときは、自分がコンタンゴという言葉を生まれて初めて目にするくらいのコンタンゴ状態だったわけだら、きっとすごかったのだろう。
仮にWTI先物価格がコロナ前の水準まで回復したとしても、自分のETFの価格は買値まで戻らないのだろう、と切ない気持ちになったことを覚えている。
逆に商品価格が暴騰したときなんかには、ロールオーバー時にバックワーデーションが生じて利益が出るような気もするけど、日本取引所グループのサイトには「一般的に、限月までの期間が長ければ長いほど将来の価格の不確実性が増すことから、時間的価値は大きくなり、先物価格は高くなります。」と書いてあるし、あまり期待しない方が良さそうだ。
長期投資の一環として商品の先物型ETFに資金を投じるとしたら、そこからは金利が得られないばかりでなく、むしろこういったコストを負担する必要があることを肝に銘じよう。