風邪を引いた際に耳が聞こえにくくなる現象は、耳と鼻、喉が連携して機能しているため発生します。風邪によって鼻や喉に炎症が生じると、これが耳にも影響を及ぼし、中耳炎などの耳の病気を引き起こすことがあります。
風邪から派生する代表的な中耳炎には、痛みや耳鳴りを伴う急性中耳炎と、特に痛みを伴わないが聞こえにくさを引き起こす滲出性中耳炎があります。特に滲出性中耳炎は子供や高齢者に発症しやすい特徴があり、注意が必要です。
また、頻繁な鼻かみによって耳管に異常をきたし、耳管狭窄症や耳管開放症を引き起こす場合もあります。過度に力強く鼻をかむことは鼓膜へのダメージにもつながり得るため、優しくかむことが重要です。
風邪が引き金となる耳の聞こえにくさは、風邪が治れば多くの場合改善されます。しかし、風邪の症状が解消されても耳の問題が残る場合は、耳鼻咽喉科での早期受診をお勧めします。
突発性難聴など、風邪後に発症する耳の病気もあるため、「しばらく様子を見れば改善するだろう」と放置せず、適切な医療機関での診断と治療を受けることが大切です。