参考(にした)文献。
発達心理学の基礎Ⅰ(ミネルヴァ書房、p66)
図でわかる発達心理学(福村出版、p104、154)
やさしい教育心理学(有斐閣アルマ、p222-227)
0.6 Introduction
前回からフロイトの発達理論を紹介している。
前回は、フロイトが仮説した、イド・自我・超自我という三つの心的装置を紹介した。
簡単に書くなら、イドは快楽原則的、自我は現実原則的、超自我は勧善懲悪的と言った感じである。
今回は、フロイトの発達段階論を展開する。
ピアジェのときと同様、さらっと概要を眺める感じにとどめ、詳しい説明は省かせてもらう。
4.2 フロイトの発達段階論
フロイトは、イドが発生させる本能的な欲求をリビドーと呼び、リビドーの根源の一つが性欲であると考えた。
このリビドーが、段階ごとにそれぞれの身体の部位(性感帯)に発現し、その欲求がどの程度満たされるかによって後の人格形成に影響を及ぼすと考えた。
およそ0~1歳を口唇期、1~4歳を肛門期、4~6歳を男根期(エディプス期)、6~12歳を潜伏期、12歳~を性器期と区分している。
以下で、それぞれの段階がどのようなものかを見ていこう。
4.2.1 口唇期
0~1歳、1歳半頃の子供の主な活動の一つに、母親の乳を吸うコトがある。この段階の子供は、母親の乳を吸う行為で、飢えを満たすとともに唇への刺激を得て満足するとフロイトは考えた。
また、このモノを吸うと言う行為は、様々なモノに対して適用され、手当たり次第に近くにあるものを吸おうとする。指しゃぶりなどはその一つの例である。
4.2.2 肛門期
1歳~3歳半、4歳頃のこの時期は、排泄の訓練をされる時期である。この段階の子供は、排泄を我慢するコトによる充足感と排泄によって得られる緊張の開放感から快感を得ると考えられる。
また、この訓練を通して、セルフコントロールをも学んでいくとも考えられている。
4.2.3 男根期
3歳半~6歳頃のこの時期、子供は性の区別を意識し始める。性別の判断が、主にペニスの有無によって成されるコトから、男根期と呼ばれている。
この時期の子供は、異性の親に対する性的魅力を感じ始める。特に男児の場合、母親に強い性的愛着を感じ、その母に特別な権利を有する父親に嫉妬し、その不在を願うほどになる。(エディプス・コンプレックス)一方で、父親への愛情や甘えも持っているので、葛藤を引き起こすコトになる。
父親への敵意に対する罪悪感や父親からの愛情を失う不安から、男児は母親への性的愛着を断念・抑圧し、父親と競う代わりに自己を父親と同一視しよう(自分の父親のような男になろう)とするコトで解決へと向かう。これをエディプス・コンプレックスの終結と、性同一性(男性性)の獲得と言う。
(女児が父親に強い性的愛着を感じて母親に嫉妬するのはエレクトラ・コンプレックスと言う。)
4.2.4 潜伏期、性器期
男根期でのコンプレックスが衰退、抑圧された後、性本能は足踏み状態となる。消失したのではなく、潜在しているため潜在気と呼ばれる。この時期は、多くの近代以降の国では学童期に当たり、同性間での交流が進み、性的同一性の強化が進む。
これまでリビドーが主に性的欲求を意味していたのと比べると、潜伏期では学習などの知的活動にもエネルギーが注がれ始める。学童期は、社会性獲得の時期でもあるため、快楽原則(イド)は抑圧、抑制(潜在化)させられ、現実原則(自我)に従うコトが求められる。
その後、思春期になると肉体的成熟に伴い、本来の意味での性衝動が自覚される。この時期を性器期と言う。
4.3 各発達段階での問題
フロイトによれば、それぞれの発達段階でリビドーがどのように満たされたかによって人格形成が決まる。
全ての発達段階で特に問題無く性器期を迎えた人を性器的性格と呼ぶ。本能的な欲望を適度に社会化された形で開放し、内的に安定している性格である。
口唇期で問題があった人を「口唇期性格」などと呼ぶ。依存的であるコトが多い。
肛門期で問題があった人を「肛門期性格」などと呼ぶ。攻撃的、排他的もしくは過度の神経質、潔癖であるコトが多い。
男根期で問題があった人を「男根期(自己愛的)性格」などと呼ぶ。過度な誇大感を持ったりする。
これでフロイトもお終いです。(まぁ、後で戻ってくる可能性はあるのですが)
次はエリクソンですね、ようやく発達課題が活きそう。
エリクソンも2回くらいで終わらせたいです。