数ヶ月後 美奈子さん

お見合いがありました
初めて会った人でしたが 話は 順調に進み
式の日取りも 決まりました


裂かれるような様な 別れをした
姉を 妹さんは 同じ女として

ずっと気遣っていました


こんなに早く 結婚を決めた 姉に対し

正直 祝福の言葉を かけていいのかとも


でもウエデイング・ドレス や 白婿を試着する
姉はとても綺麗で その笑顔に

ようやく安堵感が生まれました
そして 前向きに 生き様とする姉を

少し頼もしく感じました


しかし 数日後

冷たくなった 美奈子さんが 発見されました
彼女は睡眠薬で 自殺をしてして しまいました


特に遺書は無く 前日にも

何の前触れありませんでした


幸せに思えていたはずの

彼女の突然の死に
家族 婚約者 同級生をはじめ

皆戸惑い 号泣しました
そして一番驚き悲しんだのは

野々村くん だったのでは ・・・


美奈子さん の葬式当日

野々村くんは 向こうのご家族に

合わせる顔が無いと
部屋にこもり 憔悴しきっていました


それでも 後悔が無いようにと
促され 同級生に両肩を担がれ
美奈子さんの自宅へと向かいました


みな悲しみに落胆する中

出迎えてくれたのは妹さん でした


彼女は気丈に振る舞い 野々村くん
「どうぞ 姉に最後の別れをしてあげて下さい」と
声をかけてくれました
でも 野々村くんは とても
中には入れず 家の前で 手を合わせ
号泣し 拝みました


葬儀が終わり 美奈子さん妹さん
お姉ちゃんの 遺品を整理していました


何か遺書のような 書置きがないかと・・・
引き出しの中 服のポケットの中に
小さなメモでもあったら・・・そう思い
部屋にある本も すべて 開いて

何か 書いていないか細かく探しました

しかし彼女が どんなに探しても
何も見つかりませんでした


それからは 野々村くんは 彼女を作らず
みんなで旅行にいっても
夜はハメを外さず 一人でいたそうです


それから 約十年後


ようやく 野々村くん にも 彼女ができたと
森田くんは 聞きました
彼もようやく 気持ちの区切りが

ついたと喜びました


ところが しばらくして 野々村くん
入院したと聞きました


森田くんが 病室に行くと
一人の女性が付き添っていました


野々村くんの 病気は 癌でした

容態はよくならず 若いが故に

進行も早く 見る見る 痩せ細っていきました
やがて意識も途切れがちになり 亡くなりました


野々村くんの葬儀の時 女子は皆 亡くなった
美奈子さんの事を 思い出していたそうです


彼女は 言葉を残しませんでしたが
野々村くんの事が 全てを

物語っているかのようでした


そして 今度こそ二人

結ばれる事を 望みながら


終わり