家は若い夫婦の意見どおり
洒落たロッジ風のものが立ちました
壁紙 調度品は 奥さんが 選んだらしく
明るく 品のあるものでした
部屋も広く 二階には ジェット・バスもあり
さらに 屋根裏には ロフトがあり
そこの窓からは お城が見えました
「ここから 見る花火は 最高やぞ」と
谷原君はうれしそうに話しました
予算は予定より オーバーしたそうですが
希みどおりの家で みなさん喜んでいました。
同居が 始まって 2年位すると
谷原君に変化がでました
会社の宿直に 遊びに来いと 言うのは
良いのですが お酒とつまみを
持ってきて 欲しい と言い出しました
もちろん業務中ですから 違反です
一度ならと 思って もって行きましたが
飲みだすと あおる様な一気飲みです
酔った勢いで 体調を考えセーブしている
僕にも 飲め々 と進めてきます
そして 二人とも 深酒に酔いつぶれました
(>_<)
そんなことが続き その後 僕は入院しました
この事が全ての原因ではありません が
退院後 も 誘いの電話が来たときは
さすがにキレて 断りました (`ε´)
その後 夏祭りの夜
二人の小さなお子さんを連れた
谷原夫妻に会いました
奥さんと会うのは 術後 初めてでした
「あら 井上君(仮)元気になったんやね
真奈ちゃんも ずいぶん心配してたよ」
「えっ」 久しぶりに聞く名前に
僕の心は ドッキ!としました
すると急に谷原君の顔が少し険しくなり
「お前 いらんこと 言わんで ええわ」
そう言って 奥さんの手を引き
足早に離れていきました
それから 半年近く会わなくなりました
久しぶりに 電話がありましたが
それは 谷原君のお母さんからでした
息子は今入院しているので
病院まで 車で乗せていって
欲しいとの事でした ( ゚ ▽ ゚ ;)
病院は車で30分位の所でしたが
そこは精神科の専門病院でした
僕はびっくりして 車の中で事情を聞きました
原因はどうも 同居でした
共稼ぎで看護師の 奥さんの収入が多いこと
それに対し 旦那さんが奥さんが望むほどの
家事をやらない事の 不満 等々
正直 どこの家庭でもあるような
ことだと思いました
奥さんとお母さんの間に挟まれた
谷原君は お酒に逃げました
あとで聞きましたが 会社のロッカーに
お酒が 隠してあったそうです
ある日いきなり 奥さんの
お兄さんが来て 逃げる彼を捕まえ
入院させられたそうです
一度だけ 病院の 特別室で面会しました
ガラスの 二重のドアの
向こうでは 数人の 患者さんが
彷徨う様に 歩いていました
灰色の四畳半 ほどの部屋で 待っていると
谷原君が来ました アルコールが抜けていると
いたって 正常です
「あの患者さん達と 一緒に 生活しているの?」
思わず 聞きました
「うん 見て もらえば わかるだろうけど
俺 今 普通やろ あそこに入っていると
まともな人間やったら ほんとに変になりそうやわ」
この病院から退院 はでき無いのか? と
聞きましたが 入院の手続きをしたのが
奥さんであり 仮に両親が望んでも
病院は奥さんの承諾なしでは
退院の手続きができないとのことでした。
続きます