橘怜のHACKを本屋さんで立ち読みしてたら
止まらなくなったので、そのままレジに持って行って購入した。
あまり小説は上手くない感じだが、扱われている題材が
興味深かった。ダークウェブとか半グレとかビットコインとか。
クリプト
日本では「仮想通貨」と呼ばれるが、それは間違い。
ブロックチェーンで作られるお金は、すなわちクリプトグラフが元に
なっているので、クリプトと呼ばれる。
訳語としては「暗号資産」の方が近い。
ブロックチェーンは公開され、どのような取引が行われたのかは
世界中から誰にでも見える様になってる。ウォレットの中身も。
ウォレットのアドレスが分かれば、だれが、いつ、なにを、どれだけ
送ったのか分かる。そこから簡単にクリプトの残高も計算できる。
ウォレットは匿名で作れる。スイス銀行の匿名口座みたいに。
ブロックチェーンは中央管理でなく分散型管理。
管理者は不正や間違いをする。アルゴリズムが管理しているので
一旦指示が出れば、第三者の介入なしに実行される。
サイバー空間とリアル世界の接続で、匿名取引は匿名じゃなくなる。
例えばピザを注文して届ける。客は対価をビットコインで払う。
ピザ屋は受け渡しの時にウォレットの所有者を特定できる。
現金をクリプトに変えるときには、銀行口座から暗号資産交換所に
送金し、そこから自分のウォレットにクリプトを送る。
(実際には管理が面倒なので、多くのユーザーが交換所に
クリプトを預けている)
リアル世界の現金を、サイバー空間のクリプトにつなげるには
銀行と交換所と言う、二つの中央集権的な組織を経由する必要がある。
なぜ犯罪者がビットコインを使うのか?
犯罪者がビットコインをドルに換えて外国に送金したとする。
警察は国際的な取り決めに従い、相手国の捜査機関に資金の
流れを調査するよう依頼する。手続きには時間がかかる。
犯罪者はその間に、別の金融機関に送ったり、再度クリプトに戻して
別のウォレットに送ったりする。
そんなことを繰り返しているうちに履歴を追えなくなる。
ですって!おもしろい。
こんなことが延々と書かれている。
作者の橘怜は、自分の詳しい、興味がある分野には
具体的な製品名やアプリの名前をどんどん出して
なかなかしつこく描写する。
主人公がタイで乗ってるバイクは、カワサキのオフロードバイクとしか
描写されない。たぶんバイクに興味がないからだと思う。
サイドバッグ?をつけてそこに荷物を載せてるらしい。
主人公はハッカーなので、小型のPCを持ち運ぶが
そもそもオフロード車でサイドバッグなんかつけるのは見たことないし
(長距離ラリー車は別)、振動の多いバイクで
精密機械を運ぶならバックパック一択のはず。
「ドラゴンタトゥーの女」のリズベットも
良くバイクで移動するが、バックパックにPCを入れてた。
作者の興味がある分野、関心のない分野で
解像度は変わるんやな。
AIに聞いたら、最近は暗号資産を「ミキシング」して
他人のものと混ぜてバラバラに再構成して、別のウォレットに
送るのが流行ってるみたい。
しかし「チェイナリシス」のようなブロックチェーン分析専門の企業が
AIを使ってこのミキシングすら解析してしまうそう。
https://www.chainalysis.com/japanese/
チェイナリシスのサイト